短編集

□最高です
1ページ/1ページ


WBC強化試合後の出来事
(ヒロインは広島の広報担当で今回日本代表の広報担当)


昨日に引き続き、長い試合だった。

今日もタイブレークの末に勝ったのは日本代表。

そして何よりも、その勝利を確実にしたのが誠也の一発。


逆転満塁ホームランだった。


『麻樹さん!!』


試合後、ベンチから退がる時に一際大きな私を呼ぶ声が。

間違いない、誠也の声。

私ははっとして呼ばれた方を振り向くと、そこにはやはり満面の笑みでこちらに小走りしてくる誠也の姿が。


「誠也お疲れ様!!」


『やっと打てましたっっ!!』


何と、そのままの勢いで私に抱きついてきた。


『麻樹さんのお陰だ〜〜っっ。』


「ちょ…誠也!?////」


嬉し過ぎて、興奮しているんだろう。

ここがいつもみたいにカープだけじゃないってことを、完全に忘れている感じだった。


『わっ、しまった……!すんませんっっ///』


その事にようやく気付いた誠也。

慌てて私から体を離し、顔を赤くして私に謝る。

…ほんと、子供のまんま。笑

まぁ運良く、ちょうどその場に出くわしたのが同じくカープの大瀬良君だけだったから、変にバレずには済んだ。。。

でも大瀬良君、誠也を見て苦笑いしてたけど。笑


「ほんっっと、周りをもうちょっと見なさい。笑」


14「誠也、思ったら体に出ちゃうタイプだからなぁ。笑」


『……すんません笑』


二ヘッと笑い、どう考えても反省の色は全くない様子。

いつもだったら注意するけれども、今日ぐらいは許してあげよう。

今日は誠也のお陰で勝てたのだから。


「ほんっっとに、よく打ったね!!最高だったよ!」


『麻樹さんがずっと俺のこと心配してくれてたんすよね??だから、麻樹さんが喜んでくれて本当に良かった…!』


「………っ。」


誠也のこうゆうところ、本当にずるい。

いつもヘラヘラ(笑)してるのに、しっかり周りを見てる。

私がずっと誠也の事を心配して、周りの人に調子が良いのか悪いのか、いろいろ聞き出してたのはバレてたみたい。


『麻樹さんがいると、俺頑張れるんすよ!日本代表でも一緒、麻樹さんのお陰!いつもありがとう!!』


そんな、急にお礼を言われても困っちゃうよ。

お礼をするのはこっちの方なのに。

誠也が頑張ってるから、私も頑張ろうって思えるんだよ?

誠也の姿が、私を強くするんだよ?


「私もね、誠也の頑張ってる姿を見てると、頑張ろうって思えるの。だから、お互いさまだよ。」


この1年で、びっくりするほどに成長した誠也。

それは間違いなく実力となって結果に結びついている。

1年間見てきて、切実に思う。

今じゃあ立派な日本代表なんだ。

今日で強化試合は終わり。カープに帰ったら、地獄の秋季キャンプが始まる。

1年間お疲れ様とキャンプ頑張れの意味を込めて、少しだけどご褒美をあげても、罰はないと思う。


「今回は特別だよ?……ご飯、食べに行こっか。」


『ご褒美……!(*'▽'*)』


ご飯というワードに目を輝かせた誠也を見逃しはしなかった。

試合中は頼もしいのに、外に出るとほんっとに子供になる誠也。

ヒーローインタビューでも、語彙力の無さが際立つし…笑

でもそんな彼が、私は好きなんだろう。

野球に対して真っ直ぐに素直に受け止める、少年のような彼。

彼の未来は、明るいのかもしれない……。










「何食べたい??」
『麻樹さんの手料理!』←即答
「ホテルだからキッチン無いでしょ。」
『わ、そうか残念…。』
「……広島帰ったら作ってあげるから。」
『マジっすか、じゃあ速攻帰りましょ!!!』
「………はぁ。笑笑」







*****************

勢いで作りました!
誠也ほんと最高!!素晴らしい!!!
立派な日本代表ですね、これからの日の丸を背負う1人になったね!!




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ