短編集
□最高です
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WBC強化試合後の出来事
(ヒロインは広島の広報担当で今回日本代表の広報担当)
昨日に引き続き、長い試合だった。
今日もタイブレークの末に勝ったのは日本代表。
そして何よりも、その勝利を確実にしたのが誠也の一発。
逆転満塁ホームランだった。
『麻樹さん!!』
試合後、ベンチから退がる時に一際大きな私を呼ぶ声が。
間違いない、誠也の声。
私ははっとして呼ばれた方を振り向くと、そこにはやはり満面の笑みでこちらに小走りしてくる誠也の姿が。
「誠也お疲れ様!!」
『やっと打てましたっっ!!』
何と、そのままの勢いで私に抱きついてきた。
『麻樹さんのお陰だ〜〜っっ。』
「ちょ…誠也!?////」
嬉し過ぎて、興奮しているんだろう。
ここがいつもみたいにカープだけじゃないってことを、完全に忘れている感じだった。
『わっ、しまった……!すんませんっっ///』
その事にようやく気付いた誠也。
慌てて私から体を離し、顔を赤くして私に謝る。
…ほんと、子供のまんま。笑
まぁ運良く、ちょうどその場に出くわしたのが同じくカープの大瀬良君だけだったから、変にバレずには済んだ。。。
でも大瀬良君、誠也を見て苦笑いしてたけど。笑
「ほんっっと、周りをもうちょっと見なさい。笑」
14「誠也、思ったら体に出ちゃうタイプだからなぁ。笑」
『……すんません笑』
二ヘッと笑い、どう考えても反省の色は全くない様子。
いつもだったら注意するけれども、今日ぐらいは許してあげよう。
今日は誠也のお陰で勝てたのだから。
「ほんっっとに、よく打ったね!!最高だったよ!」
『麻樹さんがずっと俺のこと心配してくれてたんすよね??だから、麻樹さんが喜んでくれて本当に良かった…!』
「………っ。」
誠也のこうゆうところ、本当にずるい。
いつもヘラヘラ(笑)してるのに、しっかり周りを見てる。
私がずっと誠也の事を心配して、周りの人に調子が良いのか悪いのか、いろいろ聞き出してたのはバレてたみたい。
『麻樹さんがいると、俺頑張れるんすよ!日本代表でも一緒、麻樹さんのお陰!いつもありがとう!!』
そんな、急にお礼を言われても困っちゃうよ。
お礼をするのはこっちの方なのに。
誠也が頑張ってるから、私も頑張ろうって思えるんだよ?
誠也の姿が、私を強くするんだよ?
「私もね、誠也の頑張ってる姿を見てると、頑張ろうって思えるの。だから、お互いさまだよ。」
この1年で、びっくりするほどに成長した誠也。
それは間違いなく実力となって結果に結びついている。
1年間見てきて、切実に思う。
今じゃあ立派な日本代表なんだ。
今日で強化試合は終わり。カープに帰ったら、地獄の秋季キャンプが始まる。
1年間お疲れ様とキャンプ頑張れの意味を込めて、少しだけどご褒美をあげても、罰はないと思う。
「今回は特別だよ?……ご飯、食べに行こっか。」
『ご褒美……!(*'▽'*)』
ご飯というワードに目を輝かせた誠也を見逃しはしなかった。
試合中は頼もしいのに、外に出るとほんっとに子供になる誠也。
ヒーローインタビューでも、語彙力の無さが際立つし…笑
でもそんな彼が、私は好きなんだろう。
野球に対して真っ直ぐに素直に受け止める、少年のような彼。
彼の未来は、明るいのかもしれない……。
「何食べたい??」
『麻樹さんの手料理!』←即答
「ホテルだからキッチン無いでしょ。」
『わ、そうか残念…。』
「……広島帰ったら作ってあげるから。」
『マジっすか、じゃあ速攻帰りましょ!!!』
「………はぁ。笑笑」
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勢いで作りました!
誠也ほんと最高!!素晴らしい!!!
立派な日本代表ですね、これからの日の丸を背負う1人になったね!!