短編集
□ごろごろにゃん
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『宮さーーん。おはようございます、朝ですよ。ランニング行きますよー。』
25「………ん。まだ5時半やないか。」
『みーやさーん。宮さんが行くって言ったじゃないですかー。因みに5時半に起こせって言ったのも宮さんですー。』
25「あと1時間待って……。」
『1時間!?長いわっ!普通は3分とかでしょ!!』
25「ん〜〜、眠たいもんは眠たいねん。」
『子供みたいに駄々こねてもダメです、可愛く言ってもダメですよ。』
25「鬼やなぁ、お前はほんまに……。」
((ぐいっ))
『わっ!!?』
((ぽすっ))
『ちょっ……宮さんっ!??』
25「もー朝から煩いねん。ランニング夕方からにする。」
『なっ……ちょっ/////』
25「ええ匂いするなぁ、お前。」
頭のすぐ上に感じる宮さんの息遣い。
擽ったくて、身をよじるけれど宮さんにがっちりホールドされていて思うように動けない。
猫みたいにゴロゴロ引っ付いてくる宮さんは、完全に寝ぼけているみたい。
25「あー、このサイズ感たまらんわぁ…。」
『……みんなにバレたらどうするんですか。』
25「そんなんええわ、今は寝させぇ。」
おやすみぃ…。
『………寝ちゃった。汗』
目の前で眠る今の宮さんは、いつもグラウンドで見る眉間に皺の寄った宮さんじゃなくて、子供みたいにスヤスヤと眠っている、優しい表情の宮さん。
わぁ、皺の寄ってない宮さんなんて、そうそう見れないや。
あ、でもいつも皺寄せてるから、跡ついてる。笑
思わずつんつんと、触ってみる。
……ほんっと、大きな子供だなぁ。この人は。
『私はお母さんじゃないですよ〜……。』
宮さんの気持ち良さそうな寝顔を見ていたら、何だか私も眠たくなってきちゃった。
まぁ、ランニングも夕方からでいっか。
私は無意識に、宮さんの胸に頭を埋めた。
今はこのまま……この束の間の幸せをーー……。