短編集

□愛されダックス
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今日の先発は、31回目の誕生日を迎えた美馬さん。

6-0で快勝し、9回完封でキャリアハイの10勝目を挙げた美馬さんが、有無を言わさず今日のヒーローだ。

試合が終わり、お客さんに挨拶をし終えた瞬間、私達の作戦は始まった。


64「よし、急いで作るぞ!」


00「『ラジャー!!』」


4「………?」


急いでベンチ裏に下がり、私とサブちゃんさんと阿部さんは食堂へ。

何をするかって??

ふふふ、良くぞ聞いてくれました。

今日、バースデー勝利を収めた美馬さんにサプライズとして、顔面パイ投げをするために今から生クリームを作るんです。

事前に家からハンドミキサーを持参してくるという、何とも準備がよろしい私達。


『そしたら氷水を大きい器に入れてください。冷やしながら混ぜると、固まりやすいんです。』

因みに、私が生クリームを作る係で、それを美馬さんに投げるのがサブちゃんさんと阿部さんという役割分担。


64「流石麻樹、頼りになる!笑」


00「これ砂糖入れる??」


64「そりゃあ甘い方が良いって、美味しいもん!!」


00「じゃあいっぱい入れちゃうか。」


『それ絶対に入れすぎな気がする……。』


64「細かいことは気にしない!」


00「よし、これであとはかき混ぜてと…。」


((ウイィィィィィィィィン))


『まだインタビュー始まってないですよね??』


64「大丈夫大丈夫。しかも、まずまつちゃんからちゃんとしたケーキプレゼントするみたいだから、時間あるよ。」


4「……何やってんすか。」


64「お、これ?美馬さんに顔面パイ投げする為に今作ってんの。」


4「マジすか。てか砂糖入れるんすか、ガチやないすか。笑」


37「お、面白そうなことやろうとしてるじゃん。」


33「何かミキサー持ってると、女の子だわ。」


『馬鹿にしてるようにしか聞こえませんけど?』


6「何や麻樹、こうやって見ると普通の女の子やないかー。」


『ちょ、藤田さん。そんなこと言っても何も出てこないですよ///。』


6「お世辞じゃないぞー。」


『またまたそんなー。笑』


33「いやいやいや、俺の扱い酷くねぇか!?言ってること同じなのに!!」


立「お、何してんの?」


『立花さん!美馬さんのバースデーサプライズで、顔面パイ投げする為の生クリーム作ってます!』


立「お、良いねえ。てか、ミキサーと生クリーム似合いすぎ。普通にキッチンで何か作ってそう。」


『またまた立花さんまでー笑。あ、インスタ載せます??そしたら私達撮ってください!』


立「良いね、裏側って感じ。」


カシャッ(ボールを抱えてミキサーを持って、カメラ目線)


64「んじゃあ俺と阿部は、出来上がりのクリームと一緒に…。」


カシャッ(完成品のパイをそれぞれ持って笑顔)


立「良い写真だわぁ。これは今日はいいね!いっぱい来るかも。笑」


『よし、じゃああとは2人とも、よろしくお願いします!』


64「任しとけ!」


00「あー、超楽しい。」








こうして、私達の顔面パイ投げ作戦は見事成功しましたとさ。

でも1つ気になったのは、美馬さんだけじゃなくてサブちゃんさんも阿部さんも何故か顔面クリームだったということ。




『あれ、3人とも顔が白い。』


00「サブに裏切られた。」


64「阿部に仕返しされた。」


『いやいや、今日のメイン美馬さんだから!美馬さんだけで良いじゃん!!』



















美馬さんはっぴーばーすでー!!
こんな裏側があったら良いなと思って書きました。




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