コミュ障彼女と警戒彼氏
□やってきたのは、コミュ障少女
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「えっと、今日から配属になりました。
どうぞ、よろしくお願いします?」
私は今日付けでFBI捜査官になった遥架天空。
もちろんコネでの入署である。
義父が長官で、下手な会社に入れるより自分の手元に置いておいた方が安全だろうという事だった。
FBIの何処が安全なんだよとか、色々つっこみたい事はあったが、彼には今まで育てて貰った恩義があるので反抗はしない。
というか、そもそも所謂コミュ障の私に仕事なんて出来るもんかって思った。
両親が幼い頃に死んで、一人ぼっちだった私を引取ってくれた義父も普段から夜遅くに帰宅していた為、学校以外で余り人と触れる事が無かった。
しかもその学校すら、何時も図書室にいた為友達なんて居ないし。
てな訳で、コミュ障になってしまった訳である。
なんとも残念だ。←
しかも配属、ハッキング部隊とかじゃなくて実際に捜査とかしなきゃいけない奴だし。
あのオヤジ、これを機にコミュ障直せってか。
言われなくても努力はしますよーだ。
……なーんて言ってても、そんな簡単に治る訳も無く、しょっぱなの自己紹介からガッチガチだし。
しかも後ろにパパいるっていう。
絶対親の七光だろ二世めみたいな目で見られてる。
一人めっちゃ目つき怖い人いるし。
あ、近づいてきた。
「俺は赤井秀一だ。よろしく。」
「本当怖いよ、あー!!そんなに睨まないで下さい私食べても美味しくないですよもうみないで!!
……って、え?怖くない?あ、と言うか声に出てた!?」
「何考えてるんだお前、馬鹿なのか。」
まぁね、馬鹿だよ?馬鹿だけど!?
初対面で馬鹿は無いでしょう?あり得ない!!
獣じゃなくてコイツはアホだよ!!
しかも新入だとしても一応上司の(義)娘だよ!?
頭可笑しいんじゃ……?
まぁ、どれもこれも私が悪いけど。
「HAHAHA!!シュウ、食べないでですって!!あはは、面白いわねこの子!!気に入ったわ。」
「……!?」
「あら、ごめんなさいね。私はジョディ。ジョディ・スターリング。よろしくね。」
ジョディさん。
事前にパパがくれた資料によると、父もFBI捜査官で、この班が追っている組織の人間に殺されたらしい。
お気の毒に。
「私はジェイムズ・ブラックだ。一応この班の長を務めている。よろしく、天空くん。」
「えっ……と、取り敢えず、よろしくお願いします。」
パパ、私はこれからこんなに癖のある仲間達と仕事をしなければならないのですか。
引きニートしてちゃ駄目ですか?((