コミュ障彼女と警戒彼氏
□一人ぼっちと物語の終点
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「あ、かい、さん……?」
「もう泣くな。向こうで落ち着いたら呼んでやる。
もうお前を一人にしたりなんかしない。」
え……?
一人ぼっちに、ならなくていいの?
私、また孤独に過ごさなくて、良いの?
赤井さんは、私の事否定しないの?
耳元で呟かれたその言葉たちは、今まで掛けられた事の無い様な言葉で。
心に、強く、響いた。
赤井さんは私を抱きしめたまま、まるで幼い子供をあやす様に背中を優しく叩いてくれた。
そのお陰か、大分涙も落ち着き、納得する事が出来た。
「でも、何で急に……?」
「向こうで、三億円強盗事件があってな。
それに組織が深く関連していた。」
日本で、そんな大金が。
はっきり言って、日本ってあんまり凶悪事件とか起こるイメージなかったから、意外だ。
そう言えば、今まですっかり忘れてたけど、あの後明美が日本に行くって言ってた様な……。
酔っ払っていて詳しくは覚えていないが、実はその前もちょくちょく日本を訪れていたらしく、昨日は久ぶりにアメリカに戻ってきていたらしい。
あの後深夜便で日本の自宅に帰った筈だ。
あー、なんか心配になってきた。
変な事件とかに巻き込まれてないと良いけど。
そう思うと、やっぱり私も日本に行きたくなってきた。
明日のチケット、取ろうかな。
だって、本当は今日休みであったはずなのに呼び出してるんだから、代休貰えるよね。
明日、というか今日の深夜日本に行こう。
宿は、明美と志保のところに泊めて貰えば良いでしょ。
そう決めたらすぐ、スマホから飛行機のチケットを予約した。
いやぁ、ネットって素晴らしいよね。
というかさっきまでのシリアス何処行った((