コミュ障彼女と警戒彼氏

□一人ぼっちと物語の終点
1ページ/8ページ

「あ、かい、さん……?」

「もう泣くな。向こうで落ち着いたら呼んでやる。
もうお前を一人にしたりなんかしない。」


え……?

一人ぼっちに、ならなくていいの?
私、また孤独に過ごさなくて、良いの?

赤井さんは、私の事否定しないの?


耳元で呟かれたその言葉たちは、今まで掛けられた事の無い様な言葉で。

心に、強く、響いた。



赤井さんは私を抱きしめたまま、まるで幼い子供をあやす様に背中を優しく叩いてくれた。

そのお陰か、大分涙も落ち着き、納得する事が出来た。



「でも、何で急に……?」

「向こうで、三億円強盗事件があってな。
それに組織が深く関連していた。」


日本で、そんな大金が。


はっきり言って、日本ってあんまり凶悪事件とか起こるイメージなかったから、意外だ。



そう言えば、今まですっかり忘れてたけど、あの後明美が日本に行くって言ってた様な……。

酔っ払っていて詳しくは覚えていないが、実はその前もちょくちょく日本を訪れていたらしく、昨日は久ぶりにアメリカに戻ってきていたらしい。

あの後深夜便で日本の自宅に帰った筈だ。



あー、なんか心配になってきた。

変な事件とかに巻き込まれてないと良いけど。







そう思うと、やっぱり私も日本に行きたくなってきた。

明日のチケット、取ろうかな。


だって、本当は今日休みであったはずなのに呼び出してるんだから、代休貰えるよね。

明日、というか今日の深夜日本に行こう。


宿は、明美と志保のところに泊めて貰えば良いでしょ。


そう決めたらすぐ、スマホから飛行機のチケットを予約した。




いやぁ、ネットって素晴らしいよね。

というかさっきまでのシリアス何処行った((
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ