コミュ障彼女と警戒彼氏

□一人ぼっちと物語の終点
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「大切な人を守るため。」

そう答えた。

私は明美と言う大切な人を助けたかった。
だからここに来た。

ただそれだけだ。


「早くここから立ち去れ。1分以内だ。」

「嫌だ。」

「早くしろ、さもないと、」


そんな声と共に、明美の前へと立ちはだかっていた私へと銃の標準が合わせられる。


「明美は、早く逃げて。志保は何時か私が助けるから。」

「でも、私が逃げたら天空の命は……!!」

「いいよ、どうせ何時か死んじゃうし。」


そう言って私は明美に微笑みかける。

人は何時か死ぬ。絶対に。
そして人は自分の死に時を選べない。

だけど、生きたいともがき、死にたいと願う。


だったら、今私は天に死ぬことを願ってもいいんじゃないか。

明美の代わりに死ぬ事を、願っても。



「早く退け!!!」

「絶対に避けない!!貴方が私を殺しても!」



二人の叫び声が倉庫内に木霊する。

「天空、私の事はいいから、早く逃げなさい。」

「そんなの無理!絶対!!
だって明美は、大くんに!!赤井さんに!」

「想いを伝えてない、でしょ?大丈夫、もう伝えたわ。メールで、ね。」

「だから早く、」

と、明美は私を急かす。
だけど、きっと彼なら―


ジンなら―


明美を殺す。




「ッチ、ウォッカ。やれ。」

「?兄貴、でもアイツは殺らない筈じゃ?」

「手筈通りに、だ!!さっさとやれ!」

「っはい!」


そう言ってウォッカと呼ばれた小太りの奴が銃を手に近づいて来て、頭に鈍い衝撃が奔った。






























―そして、そこまでしか私の記憶には無い。
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