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□グリーンマイル
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白馬黒水は、青井鳥子に片思いしている。いつからだったか忘れてしまった位に、出会ってから、いつの間にか自然に、としか言いようがない。こいつといると、鳥子の人となりとでもいうのか、触れ合って話して、付き合って行く内に、ああ、やっぱりな、と思うのだった。いつもの面子の虎湖が鳥子にベタ惚れなのも知ってる。この想いが成就するかどうかは分からない。でも、こいつと出会っただけで充分なのだ、と思う。隣にいて、たわいもない会話をして、何でもないやり取りをしているだけで、自分が広がって、満たされていくのを感じる。こんな風に感じた他人は今までにない。ふと、鳥子のいる教室に立ち寄ったら、鳥子がいた。相変わらず、だらしなく、机に突っ伏してぐうぐう寝ていた。起こさずに、教室に入って、鳥子の寝ている机の隣に体をもたれかけさせて、鳥子の顔を見つめる。(よく寝てやがる…)教室には、午後の光が優しく差し込んでいる。
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