★DB 100のお題 〜前半〜★
□01.おはよう
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本当は一番最初に言いたい
好きだから
だから一番最初
そこから一日が始まる
ねぇ、そう思って居るのは自分だけ?
もしかして同じ考えかな?
そうだといい
そうだと思いたい
01.おはよう
悟空が気が付いたのは、2ヵ月経ってから。
自分の息子が言わなくなった。
母のチチは三日目で気が付いた。
「なぁ、チチ。最近、悟飯の奴『おはよう』って言ってネェ気がすんだけどよ」
「やっと気が付いたか、悟飯さ。も2か月以上だべ?」
「そんなにか!?」
「んだ。」
どんぶりにご飯を盛りながら、呆れた顔で夫を見る。チチ
「あれ以来か…」
一ヵ月と言えば、ドラゴンボールで魔神ブウの記憶を消して、ブウが『ミスター・ブウ』として知れ渡ったくらいだ。
その後で、どうやら悟飯がビーデルと仲睦まじくなったくらいだ。
「でもなんで、言わないんだ?」
「そりゃ、ビーデルさんに最初に言いたいからに決まってるべさ」
「なんだ、それ?」
「悟空さには、理解できないべ」
「ふ〜ん」
チチがそう言うならきっとそうなのだろう。
悟空にとって悟飯は息子だが相いれない部分がある。
好戦的な悟空。
戦闘を好まない悟飯。
知識なんて二の次で生き抜ければいいという節がある父。
知識に貪欲で、生き抜けるのも大事だが知識も欲しい息子。
「悟飯の考えは解らねぇからな〜」
と、軽薄そうなことを言いながら心配する悟空。
きっと何かあったら助けるつもりだ。
「悟空さ、手を洗ってけろ」
「おう」
朝食の準備が出来た。
それを見計らってか、末息子の悟天が現れる。
「おはよ〜!」
元気いっぱいだ。
それに続き、悟飯も顔を出す。
「あ、中華コンソメスープだ!美味しそうですね」
「二人とも手は洗ったか?」
「はい」
「うん」
それを見計らい悟空が食卓に来る。
「悟飯、悟天おはよう」
「おとうさんおはよう!」
「どうも、お父さん」
恋子でも言わない悟飯。
反して弟の悟天は天真爛漫に返事をする。
「いただきま〜す」
純潔のサイヤ人。
サイヤ人ハーフの胃はブラックホールだ。
軽く満漢全席かと思うほどの食事が見る間に減っていく。
「あ、そうだ。今日は少し帰りが遅くなります」
悟飯は箸を止めて、言った。
「んだ、分った」
母はしずしずと食べながら答える。
と言ってる合間に、料理の乗った皿はきれいになっていた。
「っと、ご馳走さまでした。行ってきますね」
「飛行機に気を付けるんだぞ?」
「はい」
カバンを肩にかけ、玄関に行く。
目指すのはビーデルの家の近くにあるビルに空き間だ。
30分もかからないうちにつく。
そこには既にビーデルの姿があった。
「ビーデルさ〜ん」
「悟飯君!」
大好きな彼女の前にひらりと着地する。
「おはよう、ビーデルさん」
「うん、お早う悟飯君」
やっぱりこれがしっくりくると悟飯は思った。
一番大好きな…いや、愛している人に一番最初に言いたい。
一番最初に聞きたい。
何時かそれがかなうといいな…。
そんな事を思って居たら、後ろから声がかかった。
LOVELOVEなピンクのオーラを醸し出していて、普通ならちゃちゃは入れない。
と言うか俗に言う『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじゃいなさい』と言う言葉など知らない人物。
「あぁ〜、なるほどな。ビーデルに最初に言いたかったって訳か」
「お、お父さん!!」
「おじさま!」
瞬間移動で悟飯の気読みを移動してきた悟空が、やっと合点が行ったとばかりに頷いていた。
「んなんなら、ビーデル、嫁にもらえよ、悟飯」
「「よ、嫁っ!」」
二人がシンクロして声を上げる。
「そうそう。結婚しちまったら今みてぇにまどろっこしくないだろ?」
悟空は名案とばかりに笑う。
「いや、僕ら今学生ですし…。」
真っ赤になって答えられないビーデル。
ちゃんと落ち着いてから結構んしたい悟飯。
「ま、おらはビーデルなら悟飯の嫁には最適だと思ってんだ」
「は、はぁ…」
余りの突然のセリフ。
でも、それは実は描いている未来予想図。
「っと、おら帰るな」
言うだけ言って、悟空は瞬間移動で消えてしまった。
「あ、あの…父さんいう事は気にしなくていいから…」
「う、うん…」
すっかり茹蛸状態の二人。
然し何気なく、繋げられる手。
「ねぇ、悟飯君」
「何えですか?」
「お、おじさまが言ってたこと、ホント?」
「え?」
「一番最初に、私に『おはよう』って言いたいって話…」
「えぇ…っと、本当です」
「なんで?」
ビーデルがよく解らないと、悟飯を覗き込む。
ビーデルの青い瞳に弱い悟飯。
ばつが悪いような、気恥ずかしいような…そんな気分で、ビーデルから視線を泳がせる。
「?」
訳が解からない訳でもないビーデル。
でもまさか、ね…。
「あ、あのね…私はね、悟飯君に一番最初に朝の挨拶したいなって思う時があるの」
ビーデルにとってそれは無理だ。
自分付きのメイド、執事。
唯一の肉親の父親、ミスター・サタンが居る。
だからそれは叶わないけど、思うだけはタダでしょ?
とばかりに思う。
「え?ビーデルさんも…?」
「ぅ……うん…」
「じゃあ、僕と同じだ」
嬉しそうににやけた笑いが悟飯の顔に浮かぶ。
それは幸せそうに。
「僕もね、ビーデルさん一番に『おはよう』が言いたいから家では言わなかったんだ」
「え?」
「僕たち、一緒の考えだね」
さらっと言う悟飯に、ビーデルは恥ずかしくなった。
「な、何馬鹿な事いってるのよ」
軽く反論するが、事実は変えられない。
「ねぇ、ビーデルさん」
「なによ?」
「おはようございます」
「それ、さっき聞いたわ」
益々赤くなるビーデル。
それでもつないだ手は離さない。
「馬鹿なこと言ってないで、さっさと学校行くわよ」
それでも少女は思う。
何時の日か…。
何時の日か、絶対に一番最初の朝の挨拶をすることを。
そして青年は心に決める。
何時の日か、彼女に起こされ朝の挨拶を一番にすることを。
願いは同じ。
だから大丈夫。
同じ願いなら叶うから。
愛を込めた『おはよう』の挨拶。
それが互いに、互いが言いたい言葉なのだから…。
END.
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後書。
相変わらず、洋書は後半。
何気に空チチもあるし。
あは〜。
文才ないな〜。
すいません!