★DB 100のお題 〜前半〜★

□14.やきもち
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見上げた空は青くって
思わず思い浮かべる
あぁ、彼女の瞳だ…と…
そう思い始めたのは結構前で
気が付かなかった自分に失笑
それでも思う
今日も彼女に会える
緩む頬は上気しているだろう


14.やきもち


行き成りだけど、孫悟飯です。
つい最近、好きな人に居ることが解かりました。
解かったって言うのもおかしいのかな?
う〜ん、なんて言うか気が付いたのは最近で、多分逢った時から好きだったのかもしれない。

偶然にも遭遇した銀行強盗を退治した時、声をかけられて吃驚したのは覚えている。
その後も探るような目で見てくる。
アパタイトの様な瞳だと思った。
でも、そうじゃない。
アパタイトなんて硬度の低い宝石じゃ彼女の瞳は言い表せない。

意志の強さ。
優しさ。
正義感。
自他共に求めるもの。
そんな彼女の瞳は透明感があり強固なモノ。
うん。
そうだ。
コランダムだ。
ブルーコランダム、つまりはサファイアだ。
透明感のある…。
ダイアモンドの次に硬度が有り、光り輝く青い石。
誠実・真理・慈愛を意味する。
まさしく彼女を表している。

花で言えば個人的には勿忘草だ。
花の色が正しく彼女の色だ。
彼女に何時か送りたい。
花言葉は「私を忘れないで」だ。
僕の事を忘れないでほしいから、鉢植えで送りたい。
毎日水をやって、僕の事を考えて欲しい。
って、ちょっと我儘かな?

でも最初は本当に苦手だったな…。
探られて、僕はおっかなびっくりだった。
でも、正体がばれちゃうと意外に気が許せた。
自分でも意外なほどだ。
流石にサイヤ人の事までは隠したけど。

ん〜、何時気が付いたのかな?
天下一武道会の時かな?
父さんに「彼女か?」なんて聞かれて焦った。

『惚れているんだろう?』

ほれている?
それって、男女の好きってこと?

ビーデルさんは好きだ。
一緒にいると楽しい。
最初の頃が嘘のように、気楽だ。
一寸した事で上手くいかないと、すぐに涙ぐむ。
でもそれを言うと凄く怒る。
それで謝ると気恥ずかしそうに「もういいわよ」と言う。
それが可愛い。
素直でもある。
最初は険悪だった時でも母さんにご飯をごちそうになりますとちゃんと言える。
そんなビーデルさんだから母さんも気をよくしたのかもしれない。
今じゃ仲良しだ。
女の子の事はよくは解らないけれど、ビーデルさんの事は知りたいと思う。
僕の事、どう思って居るのかとか……。

あれ?
じゃぁやっぱりこれって父さんの言う「惚れてる」なのか?

あぁ、じゃあ僕はビーデルさんに惚れているのか。
うん。
否定が出来ない。
だから呟く。

「僕は、ビーデルさんが好き…」

口に出して言ってみる。
しっくり来た。
事実が解かると、こんなにさっぱりするんだ。

「ってことは……」

今まで偶に感じていたあの嫌な感覚は……。

「嫉妬、だな……」

惚れた欲目を抜いたとしてもクリリンさんが「結構可愛い」と言っていたぐらいだし、ビーデルさんは可愛い。
武道もやっているから、スタイルもいい。
女性らしい丸みのある体ではあるが、無駄のない体つきだ。
言い訳になるかもしれないけど、偶々見てしまった彼女の着替え。
修行で汚れて、シャワー浴びろって母さんが言うのでビーデルさんは渋々で…。
タオルを持っていったら、その…下着姿で…決してやましい気持は…。
いい訳ではあるんですが…。
個人的な見解ですが、胸はしっかりあるし、ウェストはクッキリくびれてるし、ヒップも鍛えられているし…。
何というか、スタイル抜群ってこういう事なのかな?とか思ったりしました。
すいません。
だから、言い寄る男も多い。

朝一からの告白。
ロッカーにはラブレター。
ランチのお誘い。
放課後デートのお誘い。
度々、授業を抜け出すビーデルに勉強を教えると言い寄る。
武術を引き合いに誘うやつ。

それを見るたびにイライラしていた。
シャプナーにも偶に苛つく。
仲がいいこと漬け込み、気軽にビーデルさんの肩を抱く。
まぁ、さっさとビーデルさんが振り払うのだが…。

「う〜ん、こうしてみると、僕って意外に心が狭い…?」

と言いながら、何となく取っておいたビーデルさんのスクラップに手を伸ばす。あまり取材を受けない彼女も父親の誕生パーティには出て、取材を受けたのだ。
まだ髪が長い頃で、後ろをアップしてサイドは緩くカーブをかけている。
ドレスは個人的には胸元が開き過ぎている気がするが…基本的にシックな紫でまとめてある。
ビーデルさんにはよく似合ってるなぁ。
でもこの時に居た、招待客の男性陣がこの胸元を見ていると思うと、今更ながら心がささくれ立つ。

「まだ、会ってない時のなのになぁ〜」

自分にほとほと呆れる。

「でもビーデルさんって意外に無防備だよなぁ〜」

ビーデルさんはいつも動きやすい格好をする。
裾が長めのTシャツやトレーナー。
下はスパッツが多い。
其れか、ジーンズにブーツかスニーカー。
でも、個人的にそれはやめてほしい。
裾が長い上はミニスカート丈位がある。
その下がスパッツだと分かっていても、まるでスカートのように翻るし、たまにお…お腹が見えたりするがビーデルさん本人は気が付いていないから、始末が悪い。
尚且つ、汗を裾で拭ったりすれば、そりゃあもうお腹なんて余裕、下手したら下着まで見えたりする訳で…。
全く持って心臓に悪い。
で、問題はスパッツ。
鍛錬されつつも、女性特有のまろみのある太ももの形がしっかりとわかる。
見たいが、他の男には見せたくない。
ジーンズもだぼっとした物なら良いものの、最近はやりのウルトラストレッチジーンズで売り名は「どんな動きでもフィットする」だ。
売れ名の通り、どんな運動でも対応可能だ。
ビーデルさんも気に入って使っている。
然も、スキニータイプだ。
ヒップから太もも、脹脛とビーデルの美しく鍛えられた下半身が露わだ。
拝めるのはいいが、他の男に見せたくはない。

「あぁ〜〜〜、なんて心狭いんだ!」

ちょっと自分が嫌になる。
どれだけ、心が狭いんだろう。
でも、ビーデルさんもちょっと悪いと思う。
そりゃ、着替えをのぞいたのは僕が悪いが、事故だし。
可愛いし。
ちょっとつんつんしてたりするけど、変な所で無邪気だし。
意地っ張りだけど、素直だし。
結構、女の子としては無頓着だし。
『私に勝ったら付き合うわよ』と言い寄る男をあしらうが、負けたらどうするのさ?

「はぁ〜〜」

出てしまうため息。
多分、僕が戦いを挑んだら余裕で勝てちゃうから付き合えるわけで…。
でも、欲しいのはビーデルさんのキモチな訳で…。

「う〜ん」

怒られるのを覚悟で言おうかな?
長めの裾のTシャツとスキニーパンツやスパッツをやめてほしい事。
彼女に勝ったら付き合えるって言うのをやめてほしい事。
あんまり無邪気なのやめてほしい事。

全部僕の我儘だけど、やめてほしい。
出来たら、僕以外の男と話さないでほしい。
多少は相手に下心を疑ってほしい。

更に我儘。
僕だけ見て。
僕だけに笑って。
僕にだけ話して。
僕だけに無邪気にして。
僕だけに何もかも見せて。

自分も隠し事をしていたのに、本当に我儘だ。
好きってだけでこんなに我儘になる。

問題は一つ。
どうやったら、彼女に好かれるか。
彼女を僕のモノにできるか。
人生で、最大級の問題だ。
この問題は…
この我儘は、何時まで続くんだろう…?
そんな事を考えてたら日が変わってしまった。

『恋愛とは人生で最大級の問題である』

全くその通りだと思いながら眠れないながらも布団を被り直した。

朝になったら、またビーデルさんに『おはよう』と言い合えるから。




END.



********************
後書。
 何だか、『やきもち』と言うより『我儘』というか、何というか……。
ある意味『自覚』?
文才のない自分が悔しい…。
まぁ、基本は仕事の手が空いた時にチョコチョコ書いてるし、横から上に『新作まだ?』と言われるアットホームさ…。
まぁ、日給月給の秘書。
然も担当は幼稚園時代を知っている付き合いの長い中小企業のおじさま方。
ナイスミドル多し!
と言う訳で、チョコチョコ頑張ろう!
文才ないので、見捨ててください!!

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