★DB 100のお題 〜前半〜★

□11.ボクの太陽
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パオズ山を歩いて。
はしゃぐカノジョ。
可愛いな…と緩む口元。
まだ色気がないかな。
そんなことを思いながらも。
まだ、ハジマったばかりの僕ら。
まだこれでいいのかもしれない。
理由は。
カノジョが笑ってくれるから。



11.ボクの太陽


「ねぇ、これって木苺ってやつ?」

藪の中に点々と黄みが入った赤い実がなっている。
それを見つけたビーデルは、はしゃぎながら悟飯に聞く。

「うん、そうだよ。食べごろかな?」

「た、食べてみてもいいかな?」

「うん」

それを聞き、満面の笑みを浮かべて一つもいで、食べようとしたところで静止が入った。

「あっ!ちょっと待って!」

ビーデルの手から木苺を奪う。

「ちょっと!!いっぱい有るんだから…」

と怒鳴りかけたところで声が止まる。
悟飯は持っていた水で木苺を洗った。
自分が食べるならばそのまま行くが、ビーデルが食べるとなれば、別だ。
お腹を壊したことのない孫一家。
都会育ちで、世界ランクに入るお嬢様のビーデルが食べてお腹を壊したら大変だ。
しかも、それが悟飯が付いていながらだとしたら、きっと土下座する勢いで謝り倒す。
念には念を。

「はいどうぞ。」

にっこり。
笑いながら、洗った木苺をビーデルに差し出す。

「う、うん……」

ビーデルも自分がまだ自然に慣れていないのを自覚している。
こういう場合は素直に悟飯に従う。
ころりっと大きな悟飯の大きな手のひらから木苺をつまみ、口に入れた。
ちょっと、恐っかな吃驚の表情が一変。

「んっ!おいしい〜〜♡」

嬉しそうなビーデルの笑顔。
少し眩しそうに目を細めながらも、悟飯も笑う。

「よかったです、お口に合って」

「家で出てくるのと全然味が違うのね!つみたてって!」

もう一個食べたいな〜、と思いながら悟飯の法を伺うと、悟飯はそのまま摘んで食べている。

「あっ!」

「はい?」

ビーデルは自分には洗ったものを食べさせておきながら、自分はそのまま積んで食べている見て声を上げた。

「ちょっと!!なんで私のは洗って、自分はそのままなの!?」

「え?」

むっと口を尖らせたビーデルに怯んだ。
さ…さっきまで笑っていたのに…。

「僕は慣れてるけど、ビーデルさんはもしかしたら、お腹を壊すかもと思って……」

「う、そ…そうかもしれないけど…」

「けどって言うけど本当に自然界は洒落にらない事あるんですよ?」

「なんか…ズルい…」

「えぇ!?な、何がずるいの!?」

話が見えない悟飯。
ビーデルは唇を尖らせたままだ。

「だって私もこんな自然に囲まれてたかったもん!」

ムスっとしながら
『パパが心配性だし…』
とか
『梧飯君もだし…』
とかブツブツ言っている。悟飯の父である悟空ならそんな心配はしない(というか、気がつかない)だろう。

「じゃ、じゃあさ…」

悟飯は言おうとしてちょっと言い淀む。

「なに?」

きょとんっと、ビーデル悟飯を見上げる。
ふたりの視線はビーデルが見上げて、悟飯が下を見ないとなかなか交わらない。
然し、悟飯は視線が合って何やら尻込みしてしまう。

「えっとですね…」

ポリポリと頬をかく。
困ったときのご飯の癖の一つだ。

「うん?」

「あの…だったら自然に慣れるまでパオズ山を案内しましょうか?」

「え?」

何となく気恥ずかしくてビーデルを見れなくなり、視線を泳がす。

「案内って梧飯君がしてくれるの?」

「ビーデルさんが嫌じゃなければ…」

数歩分。
離れていたふたりの距離。

それがビーデルの一歩で縮む。

「い、イヤじゃないけど迷惑じゃな…」

「全然!!全く!!迷惑じゃないです!」

少しカブセるかの様にご飯が答える。

また一歩。

そしてお互いに一歩。

二人の距離が限りなくゼロになる。

俯いたビーデル。
明後日の方向を見ていた悟飯がビーデルを見る。

見えるのはちょっとくせっ毛なビーデルの髪の毛。

「な、なら…お願いします…」

ぎゅ。

ビーデルは悟飯の道着を掴み、引っ張りながら答える。
なんだかビーデルの耳が朱を刺している気がする。

「こちらこそ…喜んで…」

悟飯はビーデルを思い切り抱きしめたい気持ちを押し殺して。
でも我慢できなくて、道着を握るビーデルの手に、自分の手を添えた。
吃驚したビーデルが悟飯を見上げる。
視線が交わって直ぐ。

「よろ、しく……ね?」

朱の刺したビーデルの満面の笑み。

あぁ、なんて眩しいんだろう。

「はい…」

こちらも朱に染まった顔で答える。

「ふふ、楽しみ…だね?」

満面の笑みで嬉しそうだ。
直視できないくらいに、眩しい。
でももっと見ていたい。なんだか体までポカポカする。

まるで太陽だ。

眩しくて。

直視できないくらい。

でも、あるだけで安心する。

何に対しても必要不可欠。

きっと君は太陽だ。

ボクの世界には大切で。

欠く事のできない。

太陽。

ならばボクのツバサは蝋で出来てイナイことを祈ろう…。

僕が君にチカヅキタいから…。

太陽の熱で融かされないように…。



END.


********************

後書
は〜い!!
すいません!!またやっちゃたよ〜!!
お題の意味が後ろ行き。
『起承転結』がへたなのかな〜。
うん下手ですね!!
すいません!!

え〜、キリスト教徒の自分ですが、仏教以外の宗教は好き。
ストーリーとして、ですがね。
リアリストとビックバンは突然変異ではなく「神のご意志だ」と聖書片手にディスカッションする位の勢いのキリスト教徒です〜。w
で、今回の最後の方の「ツバサは蝋で出来てイナイこと」というセリフはご存知でしょうが、イカロスの翼のことです。
お父さんが脱出用に蝋で作った翼を与えるんですが、蝋だから太陽に近づくなって言われたの忘れて、蝋の翼が溶けて墜落死したといいう話です。
まぁ悟飯さんの場合は大丈夫!!
ビーデルさんの為なら墜落死くらいしても本望でしょう!w
しかしうちの悟飯さんとビーデルさんの場合、ラブライフが
梧飯→♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
ビーデル→♡
位な比率な気がする…。
ビーデルがラブレター貰うだけでアルティメット化しそう。
ビーデルは「私がいるんだから!!」って言ってニヤニヤする悟飯さんをみて「っんもう!」ってかんじかな?
ハートの文字化けがないい事を祈ろう…。
だって象形文字だし…。
窓7には基本搭載されていたけど・・・。

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