Project(Hiyoshi)

□海を越えたプレゼント
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愛しい貴方の為だったら、


どんな障害だって、乗り越えてみせるよ?


だから信じてよ。


俺の気持ちを…。




海を越えたプレゼント





「ハロー、ワカシ!」
「……」

ピシャン!

来客を告げる鈴が鳴り、出た玄関先で、
日吉はありえないものを見た。
一瞬、固まり。
思わず開いた扉を、そのままの勢いで閉じてしまう。

(何だ? 俺は今何を見た? 何で俺があんな奴の幻覚を見なくちゃならねーんだよ)

ぐるぐると、頭の中に考えが廻る。
いるはずない。
幻だ。
と思い込もうとしている日吉の思考を裏切って、玄関の扉が再び勢いよく開いた。
むろん、開けたのは日吉ではない。

「酷いよ、ワカシ。いきなり閉めるなんて」
「な、あ、て、てめぇ…」
「どうしたのさ? 口パクパクさせちゃって。あ、分かった! 俺に会えて嬉しいんでしょ?」

んなワケあるか!
と突っ込みたいのに、日吉の口からは言葉が出ず、
まるで金魚の様に、口を動かすだけになってしまう。
それほどまでに、受けた衝撃が大きかった。

日吉が現状を把握できないでいるのをいい事に、
来訪者は家人に断りも無く玄関に入ると、そのまま突っ立っている日吉の腰に抱きついた。
突然の衝撃に、ようやく日吉が現状を認識する。
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