Project(Hiyoshi)

□The Fool
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仁王の事故を知らされた時の、日吉の態度にそれは現れていた。
嬉しかった。
その後の事は、本当に悪戯心のもたらした結果で。
反省の要因でしかないのだが…。

今は上手く現状を把握してないのだろう。
把握した瞬間、きっと愛しい恋人は怒りに頬を膨らますのだ。

(柳生に謝れとか、言うんじゃろうな…)

だけど、仁王は告げる気はない。
仁王が言っていた事は、あながち間違いではないのだ。
彼のパートナーである柳生は、確かに日吉に想いを抱いているのだから。
しかし日吉にそれは言わない。
優しい日吉の事、きっと言ってしまえば罪悪感から、柳生の事を気にしだすだろうから。
例えパートナーの事であろうと、日吉の思考を支配する事は許さない。

真っ直ぐに日吉を見下ろすと、腕の中の日吉は再びふわりと微笑んだ。

「俺も…好きです。仁王さんの事…」
「ヒヨ…」
「お誕生日…おめでとうございます」

今まで、これほどまでに嬉しい祝いの言葉があっただろうか。
日吉の言葉が、仁王にとって何よりの贈り物だ。
愛しさが込み上げて、口付けを強請ると、日吉は顔を赤らめ、瞳を閉じた。

愛してる。
想いを込めて、その柔らかい感触に触れる。

共に祝おう。
今日、自分が生まれて。
明日、君が生まれた。
この大事な日を。

日付が変わるまで、抱き合っていよう。
祝いの言葉とともに、君に愛を囁くから…。

だから、許してくれないだろうか。
君の想いを少しでも疑って…、
試そうとした、この愚か者の事を…。

正気に戻った時の日吉の怒りを静める言い訳を考えながら、
仁王は今はただ、日吉との口付けに溺れていた。






マイナーでカウントダウン第四弾。
12月4日はニオヒヨでお祝いしました。
ずっと書きたかったニオヒヨ!
やっと書けて嬉しい反面、どうしようという気持ちで一杯で…。
立海D1×日吉が好きです(告白←黙れ)
とりあえず、ニオさん、お誕生日おめでとう〜♪


2004.12.04 Tasuku Midou
2005.10.28 転載
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