本棚〜長編〜
□infinite〜静かなプロローグ〜
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高い青空が限りなく広がっている。
今日は絶好の旅行日和。
『行っくぞ〜!!!』
「「おぉ〜〜!!」」
旅行は開始される。
私の変なテンションに合わせてくれるのは、可愛い息子。
長男のソラは、今年中学校に入学したがまだまだ見た目は幼いまま。心優しいお兄ちゃん。
次男のカイは、今年小学校に入学した、好奇心旺盛のやんちゃ君。
久しぶりの休みにこの息子2人を連れて海の見える街まで車で2時間。
ソラなんかは、もう色々恥ずかしいお年頃なのに母親と旅行に来てくれるなんて、幸せな限りだ。
そのうち、行きたがらなくなるなら今のうちに甘やかし尽くしてやる!
甘やかしたくなる理由は、もう一つ。
あの子達の父親とは、カイが1歳の頃に別れたのだ。
いわいる、母子家庭。
その為、数少ない仕事が休みの時には嫌がられるほど甘やかすのだ。
仕事ばかりであまり構ってあげられないにも関わらず、よくもまぁこんなに純粋に育ってくれたものだ。
ミラー越しに後部座席を見れば、楽しそうに2人で話をしている。
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