本棚〜長編〜
□infinite
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マルコはすでにその場からいなくなっていた。
「君がアヤメちゃんだよな?」
マルコの代わりにいた人物の方を向くと、昔懐かしリーゼントのコックさんが立っていた。
『サッチ…さん?』
「おっ、やっぱり知ってんだな。だいたいの話は聞いたゼ。色々大変だったなぁ。』
優しい。
こんな昔のヤンキーみたいな髪型をしていても溢れ出る優しさは本物だ。
「うわぁ〜。今度はサッチだー!」
カイはぴょんぴょん跳ねて大喜びだ。
「初めまして、俺はソラ。こいつは弟のカイです。」
『あの〜、もう一度白ひげさんの所へ行きたいんですが、いいですか?』
「礼儀正しい息子だな。いいゼ。案内するよ。」
ソラの対応を気に入ってくれたのか、笑顔で快諾してくれた。
その道中、何故かカイはサッチに肩車をしてもらってご満悦だ。
サッチは、自慢のリーゼントを掴まれても嫌な顔1つしなかった。
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