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「本部、こちら二宮隊、これから新型と思われるトリオン兵と交戦する」


「こちら忍田、新型と思われるトリオン兵はこちら側の人間に変化して襲ってくるらしい

詳しいことはよくわかっていないが、所詮は幻惑だ、怯むなよ

近くにいるスナイパーを付近に配置する、お前達を長距離からも援護する!」



三名の了解が聞こえ、戦いが始まった



「場所が悪いな」

「よりによって廃学校…」

「狭い分追い込みやすい気はしますけど」


長身の全身黒スーツの男達にはあまり似合わない埃っぽい廊下

弱気な発言とは裏腹にそれぞれが臨戦態勢となる




「くるぞ…!」




隊長の言葉の直後、崩れ落ちる壁に反応し後ろへ退く

「わお…」

思わず苦笑いを零す犬飼

新型云々の前にこの目の前に現れた複数のラービットを片つけなければいけないのか


「そう簡単に大将まで通さないってか」


鼻で笑う二宮を鋭く光るトリオンがとりまく


「押し通るまで、ですね」


当然だ


呟くのと同時に放ったNo.1の実力

部下が助太刀するまでもなく圧倒的火力で撃破する

ラービット撃破後、数で勝負と言わんばかりに沸く大量のモールモッドは

きたきた、と二人の部下が絶妙なコンビネーションで一掃した

性格は真逆だがコンビを組めば阿吽の呼吸

「さすが二宮隊だ」

本部では安定の戦闘力に歓声があがる


もう終わり?


つまらなそうに頭の後ろに腕を持っていく犬飼は

真っ直ぐ伸びる廊下の向こう端に佇む人影を見た



「あれ?名前ちゃん!?」



思わず駆け寄る犬飼に呆れる辻と二宮



「援護に来てくれたの?なんだかもう大丈夫そうだよ」

「そうなんだ、よかった」


おかしい、名前は目の前にいるはずなのに

いつものような心躍る感覚がなく妙な寒さを感じる

その綺麗な微笑みからは冷気が漏れているようだった


「犬飼!引け!!」


思わず声を荒げる二宮に反応した頃には手遅れだった


「っ!!!」


冷気を纏う彼女が振るう刃に片腕を落とされた

寸でのところでベイルアウトを免れ、不幸中の幸い




「大将のお出ましだ…」




こめかみから伝う冷汗が、本当の闘いの開始を告げた




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