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『さあ!定刻となりましたので、始めさせていただきます!

初代東隊vs玉狛第一・木崎隊の歴史的な夢の対戦!

本日は僭越ながら海老名隊、武富桜子が解説を務めさせていただきます!

解説席には風間隊、隊長の風間さん、太刀川隊、隊長の太刀川さんにお越しいただきました』



『よろしく』

『よろしくー!』



武富のテンポの良い進行と会場に沸く拍手、歓声が遠くで聞こえる


「春秋くん、蓮ちゃん」

澄んだ瞳が二人を映す

「名前、月見、よろしくな」

「三人で、もう一度勝利を味わいましょう」

模擬戦とはいえ、プライドをかけた戦い

やるからには本気でかかるしかない

三人がそれぞれの表情を確認し合い、覚悟を決める




『それでは!転送開始!!』




瞳を閉じ、変わりゆく景色を感じる




『対戦ステージ"市街地A"天候は晴れ!今回のマップ選択権は木崎隊に渡っていました

狙撃手にとってやや不利に思える地形、二人の名狙撃手への警戒でしょうか!

ボーダー最強と謳われる玉狛第一さえも恐れる初代東隊の実力に注目です!!』




開いた瞳に広がる光景

すうっと息を吸い、自分の位置を確認する




「春秋くん、私は南側、マンションの屋上にいるみたい」

「俺はどうやら、正反対に飛ばされたらしい、作戦通りまずは合流だ」

「了解!蓮ちゃん、木崎隊の皆さんの位置情報をお願いします」

「了解、玉狛がこちらよりも早く合流しないよう努めるわ」






「ふーん、本部のマップってこんな感じなのね」

「油断するなよ、相手は未知数だ」

「まずは合流してから作戦決行ですよね」

「二人の射線に入らないよう気を付けろ」



二つのチームが転送直後に動き出す

始まったばかりの真剣勝負に誰もが注目している


『今回、狙撃手2名構成の初代東隊、オールラウンダー2名とエース攻撃手の斬り込み隊長がいる玉狛第一

この全くもって戦闘スタイルが異なる二つのチーム!

解説のお二人はどちらに軍配が上がると思われますか?』



『選択マップを考えれば明らかに玉狛が有利だな、近距離戦では最強を誇る玉狛だ、距離が詰まれば初代東隊はかなり不利になるだろう

ただ、遠距離においては圧倒的に東さんたちが強い、狙撃手の動きをどう読むかがポイントだろうな』



『風間さんの言ってることは確かにその通りだな

しかし実は、初代東隊は狙撃手2名じゃないんだよなあ』



『それは一体どういう意味でしょうか!太刀川さん!』



『まあ、見てればわかるって』



太刀川の言葉に会場がざわめく

結局会場に席をとらず、自身の作戦室で

戦いの様子をみることにした二宮隊一同も

モニターに注目し息を呑んだ



『これは…!!』

武富の小さな驚きの声

会場の注目は名前へ向けられる



『"空の守り神"と謳われる美しき狙撃手、苗字隊員は

代名詞ともいえる狙撃銃を手にしていない!!

代わりにその手に収まるのは!弧月!!

これは一体どういうことでしょうか!!!』



興奮気味の武富に、ニヤリと笑う太刀川



『名前の剣術は、この俺を勝ち越すほどの腕前だ』



開いた口が塞がらないとはこういうことか

会場の多くの者が興奮と同時に驚きの声をあげた



会場の騒ぎなどつゆ知らず、名前は

マンションの屋上でその綺麗な長い髪を靡かせていた



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