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今日は本部が賑やかに感じる

なぜだか、スナイパーの合同練習の会場に

ボーダー隊員たちの足は向かっているようで

特に興味はなかったが、キラキラ笑顔の犬飼が

ぜひとも見に行きたいと走って行ってしまったので

見失うわけにもいかず、追うようにして人だかりに混ざる




おそらくこの人々の話題の中心にいるだろう人物を遠目だが捉えることが出来た

その表情と佇まいによく覚えがあった

デジャブのような感覚に二宮は思わず口元を手で覆った




「なぜ、ここに…」



二度目の姿に釘付けとなった

制服姿とは打って変わり

この場にふさわしい、隊服を纏う彼女

スタイリッシュなデザインと綺麗な身体のラインは

思わず見惚れてしまうほどだった



それは二宮ばかりではなくその場にいた者全てが

彼女の放つオーラに魅了されていたのだ




「わお、もしかして名前ちゃんじゃん!」



驚いた様子で目を見開く犬飼は興奮気味だ

知り合いか?と思わずすぐに反応してしまう



「名前ちゃんは三門市の高校生で知らない人はいないくらい、可愛いって有名なんです」

ここに集まったやつらもきっとみんな

名前ちゃんを一目見ようと来たんですね



アイドルをみるような目で熱弁する部下



「ほう、辻も知ってたのか」


女性に免疫のない辻はさすがに、と横をみれば

顔を真っ赤にして汗をかいている

それが答えか、とそれ以上は何も聞かなかった




東と親しげに話す彼女は

自分に向けられる多くの憧憬の目に

まるで気付いていないような様子だ



自身の元隊長へ向けられる華の笑顔に

あの時の憂い顔が重なった



どんな表情一つ一つも

全部全部守らせてほしい

壊れてしまいそうな笑顔に思いが加速した




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