長編 夜香花(やこうか) 完結

□第二話 心の変化
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〜長谷部目線〜


我が本丸の主は、ややヤル気に欠ける
出陣も演練も、俺がすすめなければ、全くと言っていい程しない

今日もその事で朝から揉めていた(昼過ぎだが)




長谷部「主、長い間出陣していませんが、そろそろ皆を行かせてはくれませんか?」

主「ふわぁ……起き抜けにその話ですか?」

長谷部「はい、全員が、次はまだかと待っています」



主「……………」



何が彼女をそうさせているのかは分からない
主は、俺達が戦いに行く事を極端に嫌がる




主「…………貴方に任せます」




低い声でそう答えた主
ガバリと布団から出ると、黙ったまま寝間着を脱ぎ始めた


長谷部「し…失礼しますっ!!」


いつもの、からかいではない
主から出ている空気がそう告げている

慌てて部屋を出て襖を閉める
そして一つ大きくため息を吐いた



少し機嫌を損ねただけなのか?
それとも、出陣の話をした俺に怒っているのか?

いつもこの話をすると、こんな風になる
そして毎回、曖昧なまま終わる
結果、主の心中は分からず終いだ


俺は仕方なく、自分で編成を考え、皆に告げようと階下に降りた




愛染「おう、長谷部のダンナ!!出陣のメンバーは決まったか?」

長谷部「ああ、今から伝えに行く所だ」

愛染「よっしゃ、皆を集めて来るぜ!!俺が入ってるといいな〜」


そうだ、俺達は刀剣、戦う為に作られた道具だ
中には、戦うのを嫌がる者も居るが、大半は戦に出たくてウズウズしてる
いつかそれを主に話して分かって貰わねば……

そう考えながら皆が集まる広間に足を踏み入れた
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