長編 夜香花(やこうか) 完結

□第三話 違い
6ページ/6ページ

その頃、一階では……



燭台切「厚は、ちゃんとお詫び出来たかな?」

歌仙「確信犯だろ?あんな言葉教えるなんて……」

堀川「いいんじゃないですか?ね、兼さん」

和泉守「大人への第一歩ってな」



風呂上がり、粟田口の兄弟が口々に主の話をしていたのを聞いて、お説教が始まった
そして、代表して厚が、お詫びとお見舞いに行く事になったのだ

花は歌仙が、直接触ってしまわないように注意を払って切り取り、紙に包んで持たせた
何だかんだで皆、お互いを想い合っている



乱「でも僕初めて知ったよ……自分が女の子じゃないんだって」

鯰尾「え?知らなかったの??」

乱「うん……全然知らなかった」

今剣「いいんですよ おんなのこみたいなおとこのこで それがみだれです」

宗三「はい、乱はそのままで可愛いですよ」

乱「エヘヘ、そっかな」



照れ臭そうに笑う乱に、皆ニコニコ笑う
そこへ厚が二階から帰って来た



燭台切「どうだったかい、主の様子は?」

厚「うん、喜んでた!元気そうだったぞ」

江雪「それは良かったです」

厚「あと、オッパイ触ったの気にしてねーって!」



ブハーッと吹き出す燭台切
その他も何人か、お腹を抱えて笑っている

そこへ厚に近づいて来た歌仙
「?」顔の厚の頭に拳骨を軽く落とす



厚「痛っ!!」

歌仙「その言葉は、忘れなさい」

厚「何でだよーっ!」

歌仙「必要無いから」



痛てーな、と頭をさする厚
すぐに兄弟が駆け寄り、次々に頭を撫でてあげている



燭台切「さて、長谷部君に怒られないうちに解散しますか」

和泉守「確かに……主に失礼だとか言いながら乗り込んで来そうだな」



噂をすれば影
皆が立ち上がろうとした瞬間、スパーンと襖が開いた



長谷部「厚に変な事教えたのは誰だーっ!!」

和泉守「ヤバい、皆逃げろっ!!」



そのかけ声を聞いて蜘蛛の子を散らしたように、一斉に誰も居なくなる広間
その後暫く、鬼ごっこの鬼のように皆を追い回す長谷部なのでした


次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ