長編 夜香花(やこうか) 完結

□第五話 価値
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蜂須賀「主は、本丸に鍛刀部屋というものがあるのをご存知かい?」


色んな意味で輝いてる蜂須賀虎徹が、客間へ初めて来た
どうやら、未だ鍛刀した事の無い私を心配して来てくれたみたいだ


蜂須賀「この本丸には、価値の高い刀剣が少ないように思えるが、いかがお考えかな?」

主「………価値?」


蜂須賀の言う価値とは何だろう
値段?それとも確率?


主「私は、自然な形で集まってくれれば、それでいいと思っています」

蜂須賀「ああ……分かっていないね」


大袈裟に頭を抱えて、その美形を崩す
イケメンは、何をしてもイケメンだ


蜂須賀「貴女は、僕らが負けて、その手元から失うのを何より恐れてる」

主「え………ええ、そうです」

蜂須賀「さっき話した価値ある刀剣とは、戦いにおいても高い戦闘力を持っているんだよ」

主「それは……負けにくくなると言う事ですか?」


そう言う私にニコリと笑った蜂須賀

鍛刀でレアな刀剣……考えた事も無かった
本丸が、平和であればそれでいいと思っていた私
その情報は、目からウロコが落ちるような話だった



その日の晩


長谷部「では、お休みなさい」

主「あ、待って!明日私、あちらの世界へログアウトしようと思っています」

長谷部「明日ですか?お知らせを見に行く日ではありませんよね?」

主「レアな刀剣なる物を、調べようかと思いまして……」

長谷部「ああ、昼間の蜂須賀の話ですね」

主「私にとって刀剣の価値など、どうでもよいのですが、やはり少し気になります」

長谷部「良いのではありませんか?そう言えば、レア太刀の中に粟田口の兄が居ますよ」

主「まことですかっ!!」


それを聞いたら、俄然やる気が出て来た
あの子達が待ちわびてる一期一振を、どうしても顕現させなくてはならない


長谷部「あ……あと、毛並みがモフモフした小狐丸様も……」
主「絶対ゲットしてみせます!!」


あ、言葉被せちゃった
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