長編 夜香花(やこうか) 完結

□第九話 宴
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今、私は、猛烈に悩んでいる

昼過ぎに、客間へと来た燭台切
彼が私にとって、地獄とも言える提案をしたから


燭台切「最近、主が僕達をたくさん出陣させてくれるから、仲間が更に増えたよね!そこでお願いがあるんだ、今夜、新入り歓迎会も兼ねて宴を開いたらどうかって?」


嬉しそうに話す燭台切
でも私の顔は、若干引きつる
何故なら……



飲み会が大嫌いだから




まず、私自身が飲めない
体質なのか、少し飲んだだけで、フラフラになる
次に、酔っ払いの扱いが分からない
何言っても聞いてくれないから、逃げたくなる
それよりも何よりも、大人数が集まる場所が大の苦手


なのに私が返事するよりも先に、長谷部が話に加わった


長谷部「良いではないか!!俺もたまには飲みたい。うちの本丸始まって以来の大宴会を催そう!!」


あ……あれ?……ノリノリですね、長谷部くん
やっぱそうだよね……皆、飲み会したいよね……

毎日、私に付きっ切りの長谷部
たまには仲間達と息抜きして貰おうと、自分の気持ち「飲み会大嫌い」を封印する


主「や………やりましょう」

燭台切「ありがとう主!皆、喜ぶよ!!」

長谷部「今からじゃ、準備が大変だな」

燭台切「大丈夫、きっと飲むのが好きな奴が手伝ってくるって!」


そう言った燭台切は、張り切った様子で部屋を出て行った
直後、大きくため息を吐く


主「私……不参加じゃダメですよね」

長谷部「な、何を言ってるんですかっ、当たり前ですよ!!」

主「……ですよね〜」

長谷部「まさか、お嫌でしたか?」

主「い…いや……大丈夫」


こりゃ腹くくるしかないか……あ〜、参加したくないなぁ
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