長編 夜香花(やこうか) 完結

□第十話 闇
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注意:この章は、性的、暴力的なシーンを含みます。
読まなくても支障は無いので、苦手な方はスルーして下さい。


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長谷部「今日は、あちらへお知らせを見に行く日ですよね?」

主「ええ、私が居ない間、宜しくお願いしますよ長谷部」

長谷部「お任せ下さい」


現代服を着た私を見た長谷部
彼はいつもこの時、寂しそうな顔をする


主「行ってきます。すぐに戻りますね」

長谷部「行ってらっしゃい、お早いお帰りを……」


安心させる為に、ニコリと笑って見せる
去り際の長谷部の顔は、今にも泣きそうだった


**************



そして、自分の部屋へと着いた
相変わらずの散らかりっぷりに目を逸らし、用事を片付ける

どうやら、本丸とここは時間の流れが違うらしく、いつも戻って来ると、あまり日にちが経っていない事に気付く


「助かるなぁ、貯金少ししかないから家賃とか困る」


これから先、どうなって行くんだろうという、漠然とした不安に目を瞑り携帯を探す
すぐに見つかったソレを、操作していると玄関がガタガタと鳴った


元彼「よう、久し振り」

「?!」


私は酷く驚いた
もう存在すら忘れかけていたけど、一緒に住んでいたにもかかわらず、他に女が出来たとか言って、出て行った最低な男


「何しに来たの?それより合い鍵返してよっっ!!」

元彼「そんな冷てぇ事言うなよ」


そう言って距離を詰めて来た
咄嗟に避ける私


「出てってよっっ!!」

元彼「ああ、あの女の事怒ってんのか?あんなの遊びに決まってんじゃね〜か!俺には、お前しか居ねぇんだって……」


左腕を掴まれ引き寄せられる
抵抗してみたけど、びくともしない


「止めて、離してっっ」

元彼「何だよ、他に男でも出来たのか?」


一瞬、長谷部が過ぎった……


「そ、そんなんじゃない、もう別れたんだから早く出てってよ!!」


そう言った私の頬に、突然の衝撃が走った
バタリとフローリングに倒れ、殴られたんだと気付く
忘れてた…………コイツこういう男だった


元彼「テメエふざけんなよ」

「い……嫌っっ!!」


這いつくばって逃げる私の髪を引っ張った
痛さで抵抗出来ず、彼に近付いてしまう
その瞬間、無理やりキスされる


「んっ……やめ……」


体中に鳥肌が立って、思わずコイツの唇を噛んだ
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