長編 夜香花(やこうか) 完結

□第十一話 帰還
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注意:主が酷い怪我をしてます。
性的、暴力的なシーンはありませんが、読まなくても支障は無いので、苦手な方は、スルーして下さい。

前回のあらすじ

いつものように、お知らせを見に行く為、あちらの世界へ行った主
そこで別れたはずの元彼と出くわし、様々な暴力に合った


**************

〜長谷部目線〜


深夜、主の部屋で待っていた俺
眠るにも眠れず、座ってただ目を瞑っていると、ドタッと音がした
驚いて見ると、それは………


長谷部「主っっ!!」

主「うぅっ………」


待ちに待った主だった
ただし、目の前に転がる彼女は悲惨な姿で声を失う


長谷部「あ……ああっ……」


衣服は一切身に着けておらず、体中アザだらけ
一目で乱暴されだのだと分かり、慌てて抱き起こす


長谷部「いったい誰がこんな事を………」


大事にそっと抱えると、敷いていた布団に寝かせた
すると彼女は痛そうに「うっ」と唸った

急いで俺は一階に降りると、粟田口の部屋を目指した
声をかけるのも忘れて襖を開けると、数人がムニャムニャと目を擦りながら起きた


一期「どうしたんですか長谷部殿?」


兄である一期一振が俺に話し掛けてきた
しかし俺は、他の者には目もくれず、目当ての薬研を探し出し腕を引っ張る


長谷部「頼む薬研、すぐに来てくれっ!!………主が………主が」


何かを察したのか、すぐに反応してくれた薬研
白衣を羽織ると、医療道具を持って素早く二階へ上がってくれた


**************


〜薬研目線〜


長谷部の慌てようから、大将が一大事だとすぐにさとった
二階の部屋に着くと、衝撃的な光景を目にする

長谷部がそうしたのか、布団に横になる彼女
その顔は、誰だか分からないくらいに腫れていた


薬研「大将……少し触るぞ」


そう声をかけ、顔を触る
酷く痛がったが、骨折はしてないみたいだ


長谷部「どうだ、どんな状況だ?」

薬研「すまないが席を外してくれ」

長谷部「嫌だ、主のお側に……」

薬研「今から体を調べる。隅々まで診なくちゃいけないから、アンタが居たんじゃ困る。大将も嫌がるだろ……」


長谷部は、仕方なく部屋を出て行った
それを確認してから布団を剥ぐ
予想通り、顔と同じく、あちこちにアザを作った体が露わになった

それを見て俺は、眉間にシワを寄せる
こんな酷い事する奴が居るなんて許せない
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