長編 夜香花(やこうか) 完結

□第十八話 何か変?
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主「長谷部、小狐丸を呼んで」

長谷部「またでございますか?」

主「いいから呼んで」


何度も鍛刀して、やっとゲット出来た小狐丸
彼のモフモフ加減は、ハンパない
最近の癒やしは、もっぱら小狐丸のトリミングだ


小狐丸「ぬし様、お呼びかな?」

主「来たのね?早く座って座って」

長谷部「…………」


皆の事は好きだけど、自室に入って来られるのには抵抗がある私
しかし、この小狐丸だけは例外で、客間ではなく自分の部屋に呼び寄せていた


引き出しにしまった、ツゲの櫛を出しスタンバる
やや大きめのガッチリ体型の小狐丸は、私の正面に背中を向けて座った
その背後に流れるモフモフな毛並みを整えてあげる


小狐丸「ふわぁ………気持ちがよいのぅ」

主「ふふふ、寝ても構いませんよ」


小狐丸は、その大きな体を横たえると、あくびをしてウトウトし始めた
今がチャンスと、そのモフモフに顔を埋める
ああ………昇天


長谷部「…………………」



***************



〜長谷部目線〜


最近の主のお気に入りは、小狐丸
とは言っても男女のそれとは、違う
分かってる……分かっているのだけど、何か面白くない

横たわる小狐丸に、幸せそうに頬を寄せる主
俺は、それを見ていられなくて部屋を出た


燭台切「で、ここに来たのかい?」


つい癖で、またここに来てしまった
おやつ用のあんこを一生懸命練ってる燭台切
その背中に話し掛ける


長谷部「何も自室へ入れなくてもいいじゃないか……しかもモフモフしたいからと頬を寄せるなんて」


ブツブツと愚痴を零す俺
燭台切は、そのままの姿勢でクスクス笑いだした


燭台切「そりゃ長谷部君もかたなしだねぇ。目の前でイチャイチャされたら、誰だって厨で愚痴りたくもなるもんさ」

長谷部「………す………すまない」

燭台切「主に、その行動を自重して貰う為にも、またやっちゃおうか?今回は、本格的に……ね!」

長谷部「?」
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