長編 輪菊(りんぎく) 完結
□第九話 体力作り
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主は、その日の晩、皆が集まる夕餉の席に参加する事にした
現代遠征のたびに寝込む自分を心配してくれる刀剣男士達
その理由や、行くに当たっての注意事項を、改めて伝えようと思ったからだ
少し遅くなって、大広間に入る主と長谷部
既に集まっている皆が注目する
主「遅くなってすいません……お腹が空きましたよね」
そう何気なく話す主
直後、とんでもない事が起きる
全員がこちらを見ている中、ブゥゥゥゥ〜っとマヌケな音が鳴り響く
コレが何だかすぐに分かった主は、今座った座布団を勢いよく剥がす
鶴丸「ワハハハ、驚いたか、主?」
主「…………………」
(↑静かにキレてる)
それは、つい先日、現代遠征で購入した『ブーブークッション』なる物
それに座ると、オナラに似た音が出るという子供のオモチャだ
主「あ〜驚いた(←棒読み)驚かしてくれたお礼に、鶴丸、貴方にも驚きを差し上げましょう」
鶴丸「お、何だ?」
ニコニコ笑顔の主
しかし、目が笑っていないと、全員が背筋を凍らせる
主「明日から山伏と一緒に、修行して来なさい」
鶴丸「えぇ……何だと?」
主「聞こえませんでしたか?山・伏・と・一・緒・に、山登りや薪割り100本の修行をしなさいと言ったのです」
皆の空気が一斉に引いた
何故なら山伏は、修行と称し、裏山を何往復も走って登り、内番をこなし、力が余ったと際限なく薪割りをする筋肉バカなのだ
(↑……ファンの方すいません)
山伏「おぉぉぉーっ!腕が鳴るっっ!!鶴丸殿、明日の朝が楽しみであるなあ!!」
鶴丸「い……いや、俺は……」
主「内番なら気にしなくてもいいですよ。特別に免除してあげます。あと、サボろうとしてもムダですよ。山姥切」
山姥切「………何だ?」
主「鶴丸が兄弟と一緒に、ちゃんとやってるか見張ってて下さい。やっていなければ、即座に私に知らせるように!」
山姥切「…………分かった」
現代遠征へ無理やり着いて来た時から、何かペナルティを与えなくてはと思っていた主
誰もが嫌がる程の、山伏のハードなトレーニング
一度、面白がった陸奥守がやってみて、死にそうになってたのを見た事がある
細身の鶴丸の体作りには、持って来いだ
主「さて、では皆さん、お夕食をいただきましょうか!」
全員「はーい」
鶴丸「……………(チーン)」