長編 輪菊(りんぎく) 完結
□第十話 革命
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今日の厨は、興味津々の刀剣男士達でひしめき合っていた
厚「うわぁ〜〜〜すげぇ、中が冬みてーだ」
蛍丸「本当だ、涼しい」
太郎「不思議な物ですね、『れいぞうこ』という物は……」
燭台切「主が大盤振る舞いで買ってくれたんだよ。『ぎょうむようれいぞうこ』って言うんだってさ」
先日、お湯を沸かすのにも不便そうな燭台切を見た主
本当は、このまま昔ながらの方が自分の好みだったが、あまりにも手間の掛かる作業を目の当たりにし、現代の文明の利器を導入した
冷蔵庫と一緒に、IHクッキングヒーター、オーブン、炊飯器までも購入
大人数が賄えるような大きさのを、幾つか揃えた
ちなみに電気は全てソーラーシステムだ
主「こらこら、冷蔵庫の扉を開けっ放しにしてはいけません。電気の無駄遣いですよ」
燭台切「やあ、主!お陰様で、食事の準備が楽になるよ!!その空いた時間に、もっと手の込んだ料理を作るから楽しみに待ってて」
主「クスクス、熱心ですね。喜んで貰えて私も嬉しいです」
ワイワイと賑やかな間を、通り抜ける主と長谷部
集団が割れる
長谷部「ほら、皆、解散だっっ!鯰尾、骨喰、一期がお前達を探していたぞ」
鯰尾「いけないっ、畑当番、途中で抜け出したんだった!」
骨喰「…………うっかりした」
内番の合間に来た者達が、慌てて仕事に戻る
残った数人は、クッキングヒーターを触ったり、炊飯器を開けてみたりしている
燭台切「喜んでよ主、今日のお昼はラーメンだよ。昨日から仕込んだスープが、いい感じに出来上がってるんだ」
主「凄いですね。本当に作ってしまうとは………でも楽しみです!」
そう言う主に、ニコリと極上のスマイルを向けた燭台切
それを見た長谷部が咳払いする
長谷部「では、指示通りに、順に大広間へ来ればいいんだな?」
燭台切「ああ、そうしてよ。ラーメンは、普通のご飯みたいに、全員のを一気に調理出来ないんだ」
それを聞いていた御手杵と鶴丸
二人はドタドタと集団の前に出て来て、必死に懇願した
御手杵「なぁ、何で俺達が最後なんだよ〜っ!!あのスゲーうめーの、早く食わしてくれよ」
鶴丸「そんな驚きなら、俺は要らないぞ!!」
燭台切「鶴さんも御手杵も一度食べたじゃないか……だから後回しだよ」
御手杵・鶴丸「そ、そんな〜…………」