長編 輪菊(りんぎく) 完結
□第十二話 スタミナ
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長谷部「遠征先で、お昼寝ですか……」
薬研と行った現代遠征の報告をしていた
あちらから帰って来て、すぐに眠くならなかった理由を話す
それを聞いた長谷部は、酷く驚いていた
長谷部「いや、俺達の遠征では考えられない事なので、少し驚いているだけです。流石は、薬研だと思いまして……」
主「私も、薬研と一緒だと楽でした」
長谷部「そ……そうですか」
いっその事、毎回『お昼寝タイム』を設けようと言い出した主
でも、それを待つ同行者が退屈だという事に気付く
長谷部「眠っている無防備な貴女を、人目に晒すのには抵抗があります」
主「心配には及びません。あちらでは、誰も私なんかに興味はありませんから」
長谷部「はたして、そうですか………?」
主「?」
最近、自分に対して態度がおかしい薬研を思う長谷部
寄り添って眠る彼女を、どんな気持ちで見つめていたのか………
長谷部「お昼寝を導入する前に、もっと体力アップをしなければなりませんよ」
主「え?お昼寝すれば体力作りはしなくても………」
長谷部「駄目です!!貴女があちらで万が一倒れたら、本丸全体の危機なんですよ」
主「………そうでした」
流石の運動嫌いな主も、この言葉には弱い
大切な皆を守る為にも、頑張って体力をつけなければならない
そして体力作りのお散歩は、毎日続けられた
小川方面では蛇が出てしまった為、今は本丸の周りをグルグルと回っている
加州「主〜!!」
大和守「頑張って〜!!」
主「二人共、ご苦労様です!」
内番で畑仕事をしていた加州と大和守
主を見つけて手を振っている
乱「ねえ、ねえ、次の現代遠征のメンバー決まったの?」
今日のお散歩に付き合ってくれる短刀は、乱
彼女(?)は、主の隣で息も切らさずマシンガンのようなトークを繰り広げる
主「はぁ、はぁ、いいえまだです。はぁ、はぁ、あちらの季節が夏なはずだから、要望がそれに合った者を……はぁ、はぁ……選んで……」
乱「ボク、可愛い夏のお洋服見に行きたいな!」
主「はぁ、はぁ………すいません、ちょっと止まります」
乱「え、もう??」
歩きながらの女子トークは疲れる
喋るだけでも息が苦しい