長編 野花(のばな) 完結

□第三話 明朝
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朝げの時間

昨日とは違い、下も下、ずーっと下の端っこに座った私
やっぱここが落ち着く


鯰尾「野花さん、この後予定はありますか?」


今、私の周りには短刀と脇差しの方々が座っている
皆お揃いの服着てて可愛いなぁ……


野花「無いですけど……」

鯰尾「なら一緒に馬の世話しに行きましょう!!」

野花「馬……ですか……」


そう誘われたら行くしかない
後片付けを済ませた私達は、馬当番の鯰尾君と骨喰君と一緒に馬小屋へと行った


鯰尾「さてと、まずは掃除でもしますか」

骨喰「投げてくるなよ……」

野花「投げるって何を?」

骨喰「………馬糞」

野花「っっ!?!!」


えっ?!まさかそんな危険な遊びしてるの?!!
慌てた私に向かって、ニヤリと笑った鯰尾君
一瞬背中がヒヤリとした

そんなタイミングに天使たち登場


秋田「お手伝いしますよ」

乱「あんた達、何で野花に馬の世話なんかさせてるのっ!!」

五虎退「僕が代わりに手伝いますから野花さんは、こっちで見ていて下さい。」


そう言って、小さな手で私を誘導してくれた五虎退君
そこには、腰掛けるのに丁度良い切り株が置いてあった

食事当番が終わったらしい平野君と前田君も加わり、賑やかになった馬小屋


野花「皆、仲がいいんだね」

乱「うん、だって兄弟だもん」

野花「きょ、兄弟?全員??」

乱「まだ沢山居るよ。薬研とか厚とか……」


そんなに居るんだ……全員で何人なんだろう?


乱「野花は、兄弟刀居ないの?」

野花「私は、皆みたいに名匠の刀じゃないし……貧しい出だから兄弟なんて……」

加州「へぇ……そうなんだ〜」


突然現れた加州清光
切り株に座り、膝の上に居た子虎を撫でていた私の手首を掴む


加州「ねぇ、一緒に来てよ」

乱「ダメだよ!!野花は、ボク達と一緒にいち兄を待つんだから」

加州「稽古の続きするよね野花?行くよ」

秋田「ダメですーっ!!」


私の反対側の手を引っ張る秋田君
その時、背後から声がした


「どうしたんだい?ケンカは駄目だよ」


ここから先、私の人生が変わる……


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