長編 野花(のばな) 完結
□第五話 年輩組
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今日も本丸は平和だ
景趣は、春
日差しは、ぽかぽか
三日月「して、最近の野花を、どう思う?鶯丸よ」
ズズズ……とお茶を啜りながら、この世で最も美しいとされる刀剣、三日月宗近が聞いた
鶯丸「ここにも僕らにも、慣れて来たんじゃないのかい」
やはりズズズ……とお茶を啜る鶯丸
三日月「よきかな、よきかな」
そんな会話が繰り広げられてるとも知らず野花は、お盆を胸の高さに抱え二人の所へ、やって来た
野花「お二人共、宜しければお団子食べませんか?」
三日月「おお、それは気が利いておるな」
鶯丸「どうしたんだい?買って来たのかい?」
野花「いいえ、燭台切さんが作ってくれました」
三日月「光忠か、あ奴は何でも出来るな」
鶯丸「光忠の団子は、美味しい。君も一緒に食べるかい?」
「はい」と返事をし、一緒に頂く野花
その姿に年輩組が、目を細めて見ているなんて知りもしない
しばらくすると……
ぽかぽか陽気に、お腹いっぱいの野花は、うとうとと舟を漕ぎ始めた
三日月が、それに気付き鶯丸に「しーっ」と人差し指を立てる
鶯丸も心得てるとばかりに、ニッコリ笑って応えた
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ふわふわと気持ちがいい
縁側の猫になった夢を見ていて目が覚めた
パチパチ瞬きする視線の先には、蒼い布……
どっかで見た事あるなぁと思いながら野花は、倒した上半身を起き上がらせた
野花「ふわぁ〜…………って、え???」
目の前には、微笑む三日月様
慌ててキョロキョロと見回し、状況を把握する
私は、気持ちよさのあまり昼寝をしていたのだ、しかも三日月様の膝で
野花「す、す、す、すいませんっ!!」
三日月「よいよい、それにしても気持ちが良さそうであったな」
野花「私……何て失礼な事を」
ショックのあまり、うなだれる
鶯丸「なかなかいい物を見せて貰ったよ。皆に自慢しよう」
野花「止めて下さい鶯丸様、私ったら……お恥ずかしい」
ははは、と笑う年輩組
私的には、笑い事じゃありません