長編 野花(のばな) 完結

□第六話 出陣
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長谷部「今日の演練メンバーを発表する……」


うちの本丸では、出陣以外の当番は表に書いて貼ってある
その内容は様々で、食事当番、掃除当番、馬当番、畑当番………と、まだまだある

演練と出陣だけは、こうやって長谷部様が発表される
ここに来て数日経つが、未だ名前を呼ばれた事がない私
主様は、私の事を忘れるのかな?と思い、今日もあまり聞いていなかった

すると

気付けば何故か注目を浴びていた
末席に座った私を、振り返り見てる皆さんと目が合う


野花「??あ……あの……何か???」

鶴丸「ハハ、聞いていなかったのか?出陣だよ出陣!!」

野花「…………へ?」

大和守「僕らと一緒に出陣だってさ」


なんですってぇぇぇぇ!?!?

すいません全く聞いてなかった
ここに来てまさかの出陣
私の反応に長谷部様の目が怖い


長谷部「主のご意向で、まずはあまり危険のない場所から行って貰う。詳しくは部隊の者達に聞くように!!」

野花「……はい」


ウソ……緊張して来た
それに気付いたのか、清光が私の頭に手を乗せて撫でる


加州「心配いらないよ。安定と俺も一緒だから」

大和守「準備があるから一緒に来て」


その言葉にコクコクと頷くと、二人の後に付いて刀装部屋なる場所へと向かった


大和守「ここはね、僕達の防御となる刀装ってのを作る場所なんだけど……それは得意なヤツに任せてとりあえず持って行っちゃおう」


手渡されたそれは、まん丸な玉


加州「今回は、さほど危険は無いから《並》だな」

和泉守「おお、野花やってるか?準備は怠るなよ」


そう言った彼、和泉守兼定も刀装なる玉を2二つ持つ


和泉守「長谷部にお前の事話したら、レベルアップさせろって命令が出てな」

野花「和泉守様が私の事を?」

和泉守「接近戦が得意なら、先々の屋内戦で使いたいそうだ」

加州、安定「屋内戦!?」


二人の顔色が急に変わった。


大和守「屋内戦ではね、この刀装はあんまり意味無いんだ……」

加州「恐ろしく早い槍が、刀装を通り越して本体を傷つけるんだけど……出来れば君をそんな所に行かせたくないな」


そう言うと皆押し黙ってしまった
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