長編 野花(のばな) 完結

□第七話 野に咲く
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燭台切「みんな〜、今日のおやつは外で食べるよ〜」


台所を仕切ってる、お母さん的存在の燭台切さん
彼が楽しげに、そのいい声を張り上げた


乱「わ〜い、やったぁ!!」

五虎退「お外でおやつ、嬉しいですぅ!!」

秋田「お手伝いします!!」


それぞれ喜ぶ粟田口の子達
私も何か手伝おうと、新品の前掛けを出した


燭台切「また宗三に、作って貰ったのかい?」

野花「はい、宗三さんには何かお返しをしなくてはいけませんね。何にしましょう……」


話しながら、モゾモゾ後ろの紐を結んでいると、トン……と、燭台切さんの手があたった


燭台切「やってあげるよ」

野花「…………」


て……照れる……燭台切さんって、何か、やることなすこと色っぽい

腰元で、キュッと結び終えた感じがしたのでお礼を言う
その時突然、背後から耳元に燭台切さんの気配を感じた


燭台切「君のその可愛い姿を見せる事が、最高のお礼だよ……」


ボフッ!!


顔から火が吹いた
心臓がバクバクいってて胸が痛い
な、な、な、なんて事言うんだこの人はっ!!


そこに偶然現れた清光


加州「光忠、今、野花に何かした?」


きっと私の様子を見て、そう言ったんだと思った
でも、今の私に構わないで欲しい
動揺した自分が、凄く恥ずかしい

そんな事考えながら、赤くなった顔を早く元に戻したくて、台所へと立った


燭台切「クスッ、何もしやしないよ」


大人の余裕で答える燭台切さん
何か馴れてませんか?


そこへ、次に現れた安定


大和守「やっぱり此処に居た。清光、内番!!早く畑に行くよっ!!」

加州「嫌だ!!俺、ここに残るっっ!!」

大和守「はいはい、ワガママ言わない」

加州「嫌だ〜〜〜っ!!野花〜〜〜!!」


行ってらっしゃいと、冷ややかに見送る私
おサボりはいけませんっっ!!

私達のやり取りを見て、クスクス笑う燭台切さん
この人、何してても格好いいなぁ……

そこへ大倶利伽羅さんが現れた


野花「伽羅さん、私もお手伝いしますね」


あまり絡んだ事のない彼
無視するのも変だと思い、声をかけてみるが、予想外の返事が……


伽羅「……馴れ合うつもりはない」
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