長編 輪菊(りんぎく) 完結

□第五話 ただいま!
2ページ/5ページ

主は心地よい眠りから、目が覚めた

まだ、起きたくないなぁ……と、寝返りを打とうとすると、身体に絡みつくたくましい腕に気付く
ふと、背後を見てみると、愛しい彼が自分を包み込むように抱き締めていた


あれ?長谷部??
何でここに居るの?
私、昨日どうしたんだっけ?


本丸に戻ってからの記憶が無い
「う〜ん……」と唸り、一人で考えていると、背中に感じる長谷部が動き出した


長谷部「…………主?良かった、気がついたんですね」

主「ええ……何で貴方がここに居るのです?」

長谷部「全く覚えてらっしゃらないのですか?」


現代遠征から本丸に帰って来て、突然倒れた事を聞いた主
長谷部が布団へと運んだ時も、ピクリともしなかったらしく、心配して一緒に眠ったとか……


長谷部「お体の調子は、悪くありませんか?」

主「ふふ、ありがとう大丈夫です」


背を向けていた主はクルリと回転し、長谷部と向かい合った
そして、おはようのキスをする


長谷部「昨日は、貴女の事が心配で心配で、なりませんでした……」

主「ごめんなさい……」


再び唇を合わせる
今度は深く、そしてお互いの身体を引き寄せながら……




長谷部「そういえば昨日、見慣れない洋服を着ていましたね」

主「ああ、それには訳があって……」


主があちらに着いてからの事を話す間、彼女の無事を確かめるかのように身体を優しく撫でる長谷部

次第にそういう気分になってしまったのか、耳たぶを噛み、首筋を舐め始める



主「ん……無駄遣いをして……あん……ごめんなさい……」



長谷部「違います、そういう事ではありません……足を……」

主「足?」

長谷部「皆に貴女の足を見られました………出来れば見せたくない………」


それを聞いてクスクス笑いだした主
お堅い彼の見せたヤキモチに、思わず嬉しくなる


主「気をつけます」

長谷部「笑い事じゃない」


強い口調でそう言った長谷部は、鎖骨の下の胸の膨らみを強く吸った
その心地良い痛みに、喜びの声を上げる主


主「………っあ………長谷部」


そのまま二人は、愛し合った
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ