長編 鈴蘭(すずらん)New!

□第六話 弱点
2ページ/5ページ

長谷部はイライラする事で、寂しい気持ちが込み上げて来るのを抑えていた
主の、あの、たまに見せるお人好しを、どうにかして治したい



早朝の本丸内は、ザワザワと騒がしく慌ただしい
その中に、結った髪の毛を左右に揺らし、忙しそうに歩き回る乱を見つけた長谷部


長谷部「乱、それは鈴蘭殿の洗面用の桶か?」

乱「う……うん、ボク御世話係だから……」

長谷部「?」


様子のおかしい乱
何かあったか?と聞くと、すぐに答えが返ってくる
どうやら乱も、鈴蘭に少し疑問を持っている様子


乱「可愛いし、いい人なんだよ!でも、たまに何か嫌な感じなんだよね……あ、これ悪口じゃないからねっっ!!」


乱は、決して人を貶めたりする子じゃない
それをよく知っている長谷部は、自分の発言を後悔して焦っている乱の頭に、ポンポンと手を置いた


長谷部「大丈夫だ、分かっている。良かったら、今日は俺が世話係を代わってやろう」

乱「……いいの?」

長谷部「俺の方が、世話は慣れている」

乱「じゃ……お願いするね!」


手に持っていた洗面用の桶を長谷部に渡すと、肩の荷が降りたのか?軽やかに兄弟達のもとへと走って行った
乱と鈴蘭の間に何があったのか?
色々気になりながら鈴蘭の寝室へと向かう


長谷部「鈴蘭殿……お目覚めでしょうか?」


部屋の前で声をかけ、返事が返って来るのを待った
鈴蘭は、よく眠っていたのか、返事をするまでに時間が掛かかり、ようやく中に入る許可を出してくれた


鈴蘭「…………入っていいよ」

長谷部「失礼します」


スッと襖を開け、伏せた目を上げて驚いた
何と彼女は、下着姿だったのだ

主が現代遠征の時に着けていた、美しいレースがあしらわれた上下、それと似たような物を着ている
慌てた長谷部は、再び襖を閉めた


長谷部「し、失礼しました」

鈴蘭「何してるのぉ?入っていいって言ったでしょ?」

長谷部「いいえ……あの……」

鈴蘭「いいから早く来てぇ」

長谷部「……………」


迷ったが、長谷部は意を決して中へと踏み込んだ
その間中、視線は下げたまま鈴蘭を見ない


鈴蘭「長谷部………よね?あれ、乱ちゃんは?」

長谷部「今日は、俺が御世話します」

鈴蘭「ふぅ〜ん………そぉなんだ」


鈴蘭は、その姿のまま行動した

下着姿の彼女が、長谷部の持って来た桶に近付くと、両手を畳に付けて四つん這いになった
目の前の下着から、溢れ出そうな乳房がプルンと揺れる
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ