長編 鈴蘭(すずらん)New!

□第八話 彼等の気持ち
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そこへ現れた鈴蘭
巴との打ち合わせを終えたのか、内番表を持っていた
それを拳の中でクシャクシャにしながら、目の前の主を責め立てた


鈴蘭「ねえ、何度言ったら分かるのっっ!!人んちの三日月に、ちょっかい出さないでって言ったよねっっ!!」


お〜……怖っっ……
(↑再び主心の声)


ギャンギャン騒ぐ鈴蘭に、耳を塞ぐ主
そこへ三日月が割って入ってくる


三日月「主(鈴蘭)、俺は誰かに目移りなどしないぞ」


主に悪態を吐いている鈴蘭の頬を、そっと触った三日月
その途端、鈴蘭は真っ赤な顔をして大人しくなる


主「…………………」


本当にこの子は、三日月の言う事なら聞くな……と、少し呆れた気持ちになる主




巴「主、今から皆を集めて、内番をさせようかと思っているのだが」

主「ええ、そうですね、そうしましょう。私もやる事があるので、手伝います」


鈴蘭と三日月が、二人の世界に入ってる間に、話を進める事にした
早速、以前と同じように廊下で声を張り上げ、全員を庭へと集めた




主「ほ〜う………これは見事ですね」




大典太に数珠丸に小烏丸
その他の者も、誰もが欲しがるレア級の刀剣男士ばかり


鈴蘭「どう?あれからお金使って集めたの!」

主「………………それは、凄い」


こんのすけ情報だと、鈴蘭は、現世とこちら側を行き来しているらしい
もしかするとこの娘、お嬢様なのかな?と主は想像する



その時、一人の刀剣男士が集団を掻き分け前に出て来た


大包平「何だこれは?お前が噂の審神者だなっっ!!俺のような素晴らしい刀剣に、何をやらせるつもりだっっ!」


唾でも飛んで来そうな勢いで文句を言う大包平
身を縮ませた主を庇うように、巴が背中に隠す


巴「何だ、その口のききかたは。その素晴らしい刀剣とやらは、礼儀も知らぬのか?」


大包平と巴の視線がぶつかった
バチバチと火花を上げ、一触即発の雰囲気
そこへ、のんびりとした声が入ってくる


鶯丸「大包平、行儀が悪いぞ」

大包平「う、鶯丸……」

鶯丸「はいはい、分かった分かった。分かったから、あっちで一緒に茶でも飲もう」



大包平「分かったとは、何が分かったのだ?」



主「……………」

私もそう思う
(↑主心の声)



細身の鶯丸にグイグイ連れて行かれる、大柄な大包平
シュンとなって鶯丸に付いて歩く姿が、ちょっと可愛い
内容はともかくとして、この場を治めてくれた鶯丸に感謝する
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