六つ子の30日間
□第1話
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⋯おそ松・カラ松視点⋯
「おそ松、俺たちもう⋯終わりにしないか⋯?」
オレはその言葉が理解できなかった。
今日はオレ達兄弟が決めた、月に一度のデートの日だった。
オレとカラ松は釣り堀へ、チョロ松と十四松は水族館へ、一松とトド松は洋服店へ、それぞれが思い思いに出かけていった。
オレだって、カラ松を喜ばせる為に色々考えてきた。
それなのに⋯。
「なんで⋯。なんでオレじゃ駄目なんだよ⋯?」
オレの声は震えていた。
「⋯。本当にすまない⋯。」
「⋯オレは謝ってほしいなんて、言ってねぇんだよっ⋯!」
オレは弟に自分の顔を見せたくなくて、走り出した。
「っ兄貴「ついてくんなっ!」
いつもは辺りを綺麗な紅色に染める夕日が、今日だけは血が滲んでいるように見えた⋯。
「なんでっ⋯。なんでオレじゃダメなんだよっ⋯。」
「兄貴⋯。本当に悪いと思っているんだ。俺のワガママのせいなのに⋯。」