ジヨンベ

□ある朝の話
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12月の朝は、冷たくて透き通った空気。
ヨンベが目を覚ますと、いつもより暖かい。

「ん?、、、ジヨン?」
いつのまにかジヨンが、布団の中に入り込み、ヨンベにくっついて眠っていた。

(いつ、来たんだろう?)
身体を丸めて、シーツにくるまってスヤスヤと眠っているジヨン。

ジヨンにねだられて、合い鍵をプレゼントしてからは、朝起きるとたまに、こうやって俺の布団にもぐりこんでいることがあった。

(綺麗な寝顔、、、)
ヨンベはジヨンの髪を、そっとなでる。

(アルコールの匂いがする。昨日もクラブで飲み明かしてたのかな?)

いつも刺激を求めてるジヨン。華やかな場所が、好きで、いつも新しい世界に没頭している。
(俺とは好きなことが、ホント正反対)

時計を見ると、朝の6時。
(ジヨン、まだ寝てるよね。30分だけ走りに行こうかな)

ヨンベは朝の澄んだ空気の中で走るのが好きだった。

ランニングウェアに着替えて、玄関を出る。外の冷んやりとした空気が、心地よい。
いつもの大きな公園まで走り出す。



気持ちよく汗をかいて、ついでに美味しいと有名なパン屋さんで、2人分の朝ごはんを買って家に戻って来た。

家に帰るとすぐに、シャワー室に直行する。
(ジヨンは、まだ寝てるだろうな。パン先に食べとこうかなー)

シャワーも終え、新しい服装に着替える。パーカーとスウェット。仕事までには、あと2時間ほどあるし、楽で動きやすい格好が、いい。


寝室に戻ると、ジヨンはまだ眠っていた、、、

と、思うと
「ヨンベ??帰って来たの?」
と起き上がり、ジヨンは涙目で見つめてくる。

「どこいってたの?オレを置いて。
ひどいよぉ」
泣きそうな甘え声を出す。

「ジヨン、起きてたの?
ちょっと走って来たよ、ふふ」
ヨンベは、ベッドの上のジヨンの隣に腰をかけ、優しくジヨンの髪をなでる。
ヨンベの、タレ目な笑顔が可愛い。

「ひどくなぃ?オレ起きた時1人で、泣きそうに、なったざぁん」
ヨンベの胸に、コテンッと頭を預けるジヨン。

ヨンベは、そのジヨンの身体を包む。
「ジヨン、アルコールの匂いが残ってる。結構、飲んだでしょ?」
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