貴方と、彼と、私と、

□1.
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~ shingo side ~


関西から研修にこっちにやって来て
まだ数日。
良いカフェを見つけた。
60代後半であろう夫婦が営む小さな喫茶店。
店内は適温より少し暑い。

昼の休憩は此処でと決めた。
半年だけ常連になろうと決めた。

「お下げしますね。」

パソコンに向かっていると、
あきらかに老夫婦ではない声で一言、
そう聞こえた。

顔を上げると居たその女性は

…何処か魅力的な、
綺麗な女性だった。

…嗚呼、珍しく。
2秒で一目惚れ、なんて。

パソコンに向かい直すがただただ妄想。
だって、今、キッチンで俺のことを
話してくれてるんじゃないか?
立候補も有りじゃない?

もう一度来た時には

「これ、俺の番号」

よし。決めた。
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