貴方と、彼と、私と、

□1.
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…そんなこと勝手に決めたが
言えるわけもなく。
「好きです」なんて、貰った飴の感想を
言ってしまった。
正直、その後、貴方のことも。
なんて、言えるわけもなく。

彼女の引きつった顔に
「ハンバーガー1つ」と
遅めのランチを注文した。

そう言って出て来たハンバーガーには
頼んでいないドリンクも乗っていた。
神様のくれたチャンス。
そうとしか俺は考えられなかった。

正直に、一目惚れだなんて伝え、
どうにか彼女と話す機会を手に入れたかった。

…彼女は優しい。
向かいに座ってくれた。

お互い話し込んでわかった事。

青山美羽。
俺より9つ年下の25歳。…若いな。
俺に色々なことを聞いてくれた事から
勝手に“俺に興味がある”と推測。
「猫を知り合いの女性に預けてる」という
言葉に少し残念そうに見えたことも
推測を決定づける一つの要素だ。

残念なことに話し込むと早いもので
時間になってしまう。
別れは寂しいものだ。

俺は初めての試みに出る。

「これ、俺の番号!」

よく見るような無いような、
ナンパ的なものをやったのだった。
名刺の裏に番号を記入し渡した。

「連絡下さい。またお話したいです。」

その言葉とともに名刺を渡すと
どことなく嬉しそうな顔をしていた。

俺は生まれて初めて、
素敵な女性に一目惚れをした。





※参考︰ビースト!
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