貴方と、彼と、私と、
□3.
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バイト先につくと上着を脱いだ
スーツ姿の村上さんがいた。
時計は12:00を少し過ぎたところ。
初デート…ではなくて、
初約束で遅刻とはやってしまった。
「ごめんなさい!」
会ってすぐに頭を深く下げた。
少しキョトンとした顔の後に
ニカッと八重歯を見せて笑ってくる
「なんも!気にせんでください!」
ああ、大人の男性って怒らんのかな、
大人の余裕っていうやつなのかな、
今までこういう付き合いが少ない私は
村上さんは神様の様に見えてしまった。
「本当すいませんでした」
深々とまた頭を下げると肩をぽんと叩かれる。
「気にせんでください、そんなことより
来てくれて有難う御座います。
カフェ、行きましょう?」
手のひらで行き先を指し
丁寧な動きだった。