Love yourself

□え?
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翌日、早めに教室にいるはずの亀梨くんは教室にいなくて。


なんだか変にソワソワしてしまう。



体育館で始業式が始まっても、亀梨くんは見えなくて。


新学期早々風邪か、なんて周りから言われてて。


一度も休んだことのない亀梨くんが…。


どこを探しても見当たらない。




「みんな、おはよう!…新学期早々悪いんだが…みんなに残念お知らせがある」


始業式が終わり教室に集まると、担任の先生の声だけが教室に響く。


「亀梨和也君が夏休みのうちに引っ越すことになって、転校することになりました。家庭の事情で…」


転校?

亀梨くんが?


クラスが一気にざわつく。


先生の言葉に耳を疑った。


私はゆっくり、後ろを振り返る。


誰も座っていない席がポツーンと空いてる。


嘘…


開いていた窓から風が吹いて、髪の毛が揺れる。



フワッと新しいシャンプーの香りがした。



亀梨くんのために…


変えたのに。


いい匂いするって。


言ってくれたから。


また言ってほしくて。


味わったことのない感情が溢れてくる。
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