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□猫と犬と私D
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「今、どこですか?LAに帰っていますか?」とみっちゃんにメールをしてみると直ぐに返信が届いた。
「ゴメン、まだ日本。もうちょっと、掛かりそうで、ヨシキも今こっちに居るよ。明後日には、ヨシキと一緒に戻るよ。どうしたの?何かあったの?」
「実は、仕事クビになった。」と返信すると、携帯が鳴り響いた。
「もしもし。礼子ちゃん、クビってどうしたの?」
「色々合って、ここら辺の財閥の息子とケンカしちゃって。それで、問題起こしたからクビに。」
「ケンカって?取合えず、明後日には戻れそうだから、詳しくは帰ってから聞くよ。それまで、大丈夫?」
「大丈夫。心配させてゴメン。言わないつもりだったんだけど、みっちゃんの顔が浮かんじゃって。」
「言わない方が怒ってたよ。頼ってくれて、嬉しいよ。ゴメン、今収録中でまた明後日ね。」本当に忙しいのかみっちゃんは、早口で言い直ぐに電話を切ってしまった。お茶でもして、これからの事考えよう。歩いていたら、cafeがあったのでそこに入る事にした。コーヒーを頼み、席に着いた。携帯が振動したので見ると、ミラからメールが届いていた。

その頃、東京に居る2人は、
「礼子、何か合ったの?」
「クビになったんだって。あそこの地域の財閥の息子とケンカしたんだって。」
「ぷっ!」
「ちょっと、ヨシキ笑い事じゃないって。本人は、結構ヘコんでたよ。」
「いや、だって。礼子らしくない?ケンカして辞めるって。」
「そうだけど、仕事探さなきゃいけないでしょ。大変なんじゃ無いの?日本と違うんだから。」
「あ〜、それなら大丈夫。俺に良い考えがあるから。それより、トシ。礼子の事、気にしてる暇があったらささっと収録終わらせて。礼子の事は俺に任せて、心配しなくても大丈夫だから。」
「うん。まあヨシキがそう言うなら。じゃ、早く終わらせて戻らなきゃね。」その時2人はそんな話しをしていたんだけど、よっちゃんが、良からぬ事を考えているなんて私もみっちゃんも知らずにいた。

その後、ミラから電話があり待ち合わせをして前に行った日本の居酒屋へ向かった。
店に入り席につくなり、
『ちょっと、どう言う事?何でクビになったの?ちゃんと分かる様に説明して。』ミラが完全怒ってる。怖い。美人が怒るとやっぱり怖いんだよね。なんて他人事みたいに思ってたら、
『ちょっと、聞いてるの?』
『聞いてるってば。ゴメン、折角のお休みだったのに。』
『そんな事は良いから、早く説明して。』昼間の出来事を事細かく話した。すると、
『あー、あの息子ね。』
『知ってるの?』
『知ってるわよ。ウチの店の人達も知ってるし、あそこら辺の人達は皆知ってる。財閥でかなり力持ってるからね。その息子は、頭はかなり良いらしいけど、親のお金で遊びまくってるってみたい。ウチの店にも時々来てるよ。最近は見掛けなかったけどね。礼子が居ない時に来てたから。偶々、礼子と会わなかっただけ。それより、ちょっとマズい事になったわね。』
『う、うん。』
『その負けず嫌いな所が今回は仇になったわね。』追い打ち掛けないで、ミラさん。自分でも分かってる。
『その財閥って、結構大きいの?』
『大きいわよ。ここら辺一体を牛耳ってるから。気に入らないと、簡単に潰せる位の力があるし、唯息子がしてるんだけで親は溺愛してるから、それを黙認してる。名ばかりだけど、役員だから。頭良い分余計にたち悪いのよね。』
『そんな人とケンカしちゃったんだね。お店が潰れる訳には行かないから、クビにしたんだ。私も我慢すれば良かったんだけど、流石に胸も触られたら我慢出来なくて。』
『やってしまった事は仕方ないよ。これから、どうするか考えよ。』ミラがフォローしてくれるけど、この負けず嫌い何とかしないと。こうやって、失敗してしまう。お店の仕事楽しかったのにな。
『仕事探さなきゃ。日本には、まだ帰りたくないから。』
『私も、一緒に探すから。私も、礼子に帰って欲しく無いよ。日本人でも働ける所って沢山あるし。見つかるまで、やっていける?大丈夫?少し位だったら、何とかしてあげれるよ。』
『大丈夫。少し貯金があるから。』そう答えた。ほんの少しだけど、これ以上ミラに甘える訳には行かないから。
『唯、ロスの気に入ったって言った事が気になるわね。何も無ければ良いんだけど。』
『ちょっと、脅かさないでよ。』
『私の勘違いかも。さあ、今日は飲もう。今日は、私のおごり。』
『本当?ありがとう!』そう言った、ミラは心の中であのロスが言った言葉を心配していた。その心配が後で現実になろうとは私は全く思っていなかった。
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