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□猫と犬と私D
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あれから、ミラに散々飲まされた。軽い二日酔い。でも昨日は体は疲れてるのに全く眠れなかった。結局、自分がした事で自分の首絞めてるんだよ。クビになったから今日から暇なんだよね。かと言って、今日から早速仕事を探しに行くって気にもなれない。流石に昨日の今日だから気分は下降気味。これからの事を思うと何もする気になれないし掃除や洗濯もする元気も無い。部屋でゴロゴロしてると、携帯が鳴った。見ると、みっちゃんからのメールで
「10時に空港に着くよ。後でね。」2人が帰って来た。電話では、明日の予定だった筈なのに。1日早く戻れたんだね。暇だから、迎えに行こうかな?迷惑かな?もの凄く2人に会いたい。LAに来てから、ミラには甘えてる時もあるけど1人でやってきた筈なのに、2人と出会ってから弱い部分の私が出てくる様になってしまった。出さない様に我慢してたのに。やっぱり、2人がお兄ちゃんみたいで時々甘えたくなる。まさに、今日はそれで。会って、昨日の話しを聞いて貰いたい。やっぱり行こう。今日だけは、甘えさせて。明日からまた普段の私に戻るから。頑張るから。時計を見ると、9時。今から行っても十分間に合うし。直ぐに準備をして、2人が戻って来る空港へと向かった。

時計は10時。間に合った。時刻表を見ると、日本発便の飛行機が丁度到着したと案内してる。会える、そう思うと居ても経ってもいられなくて到着ロビーへ向かった。少し経つと、よっちゃんとみっちゃんは並んで歩いてこちらへ向かってる。まだ、私には気が付いて無い。私は、2人が見えて嬉しくて周りの目も気にせず2人を目がけて走って抱き付いた。
「おかえり!」すると、私が予想してない行動に出たもんだから目を丸くしてビックリしてる。よっちゃん何て、手に持っていた携帯落しちゃったよ。でも、みっちゃんは、
「ただいま。」そう言って、いつもの私と違うって分かったのか抱き締めてくれた。すると、
「じゃ、俺も。ただいま。」次は、よっちゃんからのハグ。
「おかえり、よっちゃん。」
私、ちゃんと笑ってる?変な顔してない?泣きそうな顔してないよね?いつもの顔してる?今は、我慢しなきゃ。2人が戻ってきたばっかりで、疲れてるんだから。
3人で、迎えの車に乗り込んだ。車に乗って、開口一番に聞いた。
「今日、西田さんは?」
「まだ、日本。西田に会いたかったの?」
「違います。よっちゃんのマネージャーだから、常に一緒に居るんだと思ってた。」
「そう。今日の後の予定は入れてないから。仕事が入ってたら話しは別だけど。」
「そっか。今日はもう何も無いの?」
「そうだよ。ゆっくり出来るよ。」みっちゃんから言われて、ホッとした。仕事って言われたら、それはそれで落ち込んでたかも。今日は1人で居るのは嫌だったから。LAに来て、1人に慣れた筈なのに、人の温かさを知ってしまうと時々寂しい時がある。こうやって、何かあった時は特に人が恋しい。私が急に黙り込んで外の風景を見出したから、2人は何か察したみたいでそれ以上何も言わなかった。
車内でそれから何も話さない私に合わせて2人もそれに合わせるかの様に何も喋らなかった。雰囲気悪くさせてゴメンね。気を使わせてゴメンね。分かってるんだけど、今日は、何話して良いか分からなくて。それから少し経つとよっちゃんの家に着いた。
「着いたよ。降りよう。」みっちゃんが声を買掛けるけど、下を向いて動く気配の無い私を見かねて、先に降りていたみっちゃんが手を出した。私も、みっちゃんの手を取り車から降りた。よっちゃんは、いつもだったら茶化すのに今は、唯何も言わず玄関を開けて待ってくれてる。
「中に入ろう。」そう言って私の手を引き、みっちゃんは中に入って、私も一緒に中へと入った。
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