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□猫と犬と私D
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※下品な表現がありますので、ご了承下さい。


あれからみっちゃんを見送ってから、丁度1週間経ってそろそろみっちゃんが日本から帰って来る予定になっている。本日は仕事です。何故か今日はミラは休みで店も暇で。
すると、見た目からしてちょっとガラの悪い感じの若い男性2人が入って来た。
『いらっしゃいませ。』
『あんた、日本人?中国人?』男性の1人がいきなり、不躾に聞いてきた。
『日本人です。』そう言うと、急に手を握ったり馴れ馴れしく身体を触ろうとするから、
『ご注文は何されますか?』そう言いながら、触られるのを避けようとするんだけど、逆に強く腕を掴まれた。気持ち悪い。慣れ慣れしく触らないで。やめて。もう1人の男性が、
『日本人の女とはした事無いな。どうだ1回?』最悪。何がどうだ1回よ。触られるのが本当に嫌で、
『離して頂けますか。来られたお店を間違えておられませんか?』
『何、お高くとまってんの?あんた、俺と付き合わない?気の強い女は嫌いじゃないんでね。』
『ロス、何言ってんだ。日本人の女なんかやめた方が良いって。つまんないって。』もう1人の男が言う。
『煩い、ジョン。今から、一緒にどうだ?』腕を掴まれたままロスと呼ばれる男が聞いてくる。さっきから、何この人達。私も止めとけば良いのに負けず嫌いの私が顔を出す。
『結構です。腕、離して下さい。他のお客さまにご迷惑をお掛けしますので。』反撃してみる。周りの人達は青ざめた顔して目を背けてる。えっ??何で??知らん顔??誰も助けてくれないの?
『俺の事知らないの?』ロスと言う男が聞いてくる。
『存じません。』知る訳ないじゃん。あんた何か。
『まぁいいや。』そう言うとその男は私の胸を触った。
『胸無いけど、我慢してやるよ。』そう言い放った。あまりにも、ビックリした上にカッとなって近くにあったコーヒーを顔にぶちまけてしまった。しまった・・・。やっちゃった、お客さんにまずいでしょ・・・。周りの人は唖然とした顔をしている。
『おい、お前何しやがる!』ジョンと言う男が私を殴ろうと構える。
『やめろ、気に入った。俺にたてつく女が居るとはな。』ロスと言う男がそう言いながら男を制した。騒ぎに気付いた店長が事務所から出て来て、ロスと言う男見て慌ててる。何で?そんなんに、腰を低く挨拶してるの?この人何者?
『これは、これはスミス様。こちらの者が何かご無礼を?』
『この女は、ロスの顔にコーヒーを掛けたんだよ。こいつクビにしろよ。お客に失礼だろ。』ジョンと言う男が捲し立てる。お前も謝りなさいと、私の頭を押え込み店長は平謝り。そっちが悪いのに。
この男は、店長の声を無視して
『お前名前は?』
『あなたに名乗る名前はありません。』答えると、店長が
『早く言いなさい。失礼ですよ。すみません、この子は礼子速水と言い日本人でございます。』
『礼子、お前気に入った。また来るから。今日は帰る。ジョン帰るぞ。』そう言って、男達は帰って行った。その後、私は事務所に呼ばれ散々叱られた。店長が言うには、あのロスと呼ばれる男は、ここら辺で大きな財閥の息子らしく、この息子を溺愛している親を敵に回すと厄介みたいで。それで潰れた店も沢山あるだとか。だから、他の同僚は何も言わずにいたんだ。知らなかったのは私だけ。問題を起こした私はクビに。敵に回して店が潰れるのは困るからと、今日付けで私はクビになりました。我慢すれば良かったって言われてもいくら小さいからって胸まだ触られて我慢何て出来る訳が無い。今だ怒りが収まらず売り言葉に買い言葉で、即答で答えた。
『分かりました。短い間でしたがお世話になりました。』そう言って、事務所を出て少ない荷物を纏め同僚達に短い挨拶し店を後にした。


漸く冷静になって考えると非常にまずい。明日から無職だ。どうしよう?今の生活だけでギリギリだったし。貯金もあまり残って無い。かと言って日本だけには帰りたくない。どうしよう。取合えず、ミラにはメールを入れて言っておかなきゃ。どうしようかと歩きながら考えてたら、ふとみっちゃんの顔が浮かんだ。言ってみようかな?クビになった事よりも、店でされた事を聞いて貰いたい。やっぱり、あいつムカつく。そう思うと、怒りが蘇ってきて、みっちゃんにメールを早速してみる事にした。
時間も空いてるし何処かお店で休憩しよ。そんな事を考えながら歩いていた私は、あのロスか言う男が私には良くない事でこれから関わって来るとは思いもしていなかった。
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