名探偵コナン
□FBI
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何とかその場をやり過ごすと安室くんを玄関で見送った奈南が帰ってくる。
『はぁ…良かった。喧嘩にならなくて…』
ホッとしたように溜息を付くとソファーに座る。
何て話しかけようか…
何だかんだ理由をつけて誘いを断ったが、俺の気持ちはバレていないようだ。
伝えてしまおうか…それともやめたほうがいいのか分からない。
奈南はどんな反応をするのだろうか。
俺は、伝えることにした。
ある意味安室くんのせいだと言える。
「奈南、すこしいいか?」
奈南が座るソファーの隣に腰を掛け見つめる。
『ん?どうかしたの?』
いつものように微笑んでくる。
なんて愛おしいのだろう。
「お前には迷惑な気持ちになるかもしれないが、伝えないと落ち着かなくてな。実は、ずっと奈南の事を女として意識している。つまり、好きだというこだ。返事は…その、しなくても構わない。」
目を丸くして顔を真っ赤にしながら俺の話を聞く。
ああ…伝えてしまった。迷惑だったろうか、困らせてしまっただろうか…そんな事を短い間に考えていると奈南の口がゆっくりと開く。
『わ…私も好き!ずっと、ずっと前から。伝えたら秀一の迷惑になっちゃうって思ってた。あれから、お世話になってるから、これ以上困らせたくなくて…』
奈南も同じように思っていたのか。
返事が聞けた瞬間、世界が明るくなった気がした。
堪らず抱き締めた。奈南からは薔薇のフローラルの香りがして酷く落ち着いた。
そのまま頬に手を当てグッと引き寄せると唇に口付けた。
何秒間したいたか分からないが、かなり長かった。
『しゅ、秀一…//』
顔を真っ赤にする奈南にもう一度次は触れるだけの口付けをする。
「愛している…」
瞳を見つめ伝えると奈南は涙目で嬉しそうに微笑み
『私もだよ。/』
と返事をしてくれた。
気づけばその涙は流れ落ちて、奈南が今まで我慢して来たことが分かった。
俺はその涙につられると、頬に涙が伝うことを感じた。
守らなければな、FBIとしてでなく佐伯奈南の赤井秀一として。