名探偵コナン
□黒の組織
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ジンSide
佐伯奈南。
コイツが俺の隣に相応しい女。
天使みたいな笑顔で俺に笑いかけて、料理もうめーし、文句はなんもねー。
組織の仕事も完璧にこなしやがる。あの方のお気に入りで今はノックかそーじゃねーかを調べているらしい。
こいつに出会うまでの俺はただ黒に染まるだけの日々だった。手が赤く染められるだけの毎日だった。
『ジン、どうしたの?考え事?』
けど、今は毎日が明るい。
手が真っ赤に染まる事があっても、幸せだって思える。
コイツの存在が大きくて、大切で最近では失う事に恐怖を覚えている。
「嗚呼。明日の取引が上手く進んでねーんだよ。」
隣りのソファに座って髪を耳に掛けると、どれどれとスマホを覗いてくる。
その時のふわりと香る薔薇の香りが俺の心を包む。
安心感
一言で表せばそう言うだろう。
『嗚呼…ジン?これ送れてないよ?』
コテッと首を傾げスマホの画面を指差す。
「あ?どうして分かる?」
慣れないスマホよりも折りたたみ式で連絡を取りたかったがあっちがスマホで、それもSNSなんかのアプリを使ってやがるから俺もやらなきゃいけなくなっちまった。
『ここ、送信ボタン押さないと』
クスクスと笑って、ジンらしいと弄ってくる。
「ちっ、慣れねーもんやらされてんだ。仕方ねーだろ。」
少し恥ずかしさで顔に熱を感じる。
『連絡なら私が取ってあげる。今回だけだからね?』
俺からスマホを奪い取り慣れたように操作する。
『はい。できたよ』
微笑むコイツの顔にまた見惚れて俺は改めてこいつに出会って良かったと思う。
「…すまねーな。」
俺の頭を撫でてくるコイツの手の温もりは俺の心を安心させてくれる。
コイツが年下だって事も分かってるが、撫でられて嫌な気分にはなんねー。