名探偵コナン
□FBI
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ある日の事だった。
俺の家…いや俺と奈南の家に安室透という男が来る予定だ。
ポアロの新作が何とかって言っていた。
チャイムが鳴ると奈南は玄関に向い安室くんを家に入れる。
「おじゃましますね。奈南さん」
ニッコリと奈南に微笑むとは対象に俺を睨んでいるように見える。
「赤井……まだいたのか。そろそろ奈南さんから離れてくれませんか?」
そんなことを言われても、離れる気なんかない。
フンと鼻で笑うと俺と安室くんの間に奈南が入り
『喧嘩は禁止っ!』
頬を膨らませてそんなことを言うから、俺も安室くんも喧嘩をするどころではない。
可愛らしいっていえば伝わるだろうか
「奈南さんは本当に可愛い人ですね。」
頭で考えていたら、安室くんに先を越されてしまった。
『可愛くありませんよーっ//』
顔を赤くする。
奈南は安室くんが好きなのだろうか…
そう考えると何故か腹立たしく思える。
胸も痛い。
「そうだ、これが新作のメニューです。」
机に並べたのは照り焼きにレタスが巻かれていてなにやらナンの様なもので覆われている。
見た事があるような、ないような…
「奈南さん、これは何だか分かりますか?」
安室くんは得意げに笑ってみせる。
奈南も何故か得意げに笑い返すと人差し指を立てる。
『ピタパン!』
そうだ。確かそんな様な名前だったな…
「正解です奈南さん。流石ですね!食べた事あるんですか?」
安室くんはどこか嬉しそうに話を進めていく。
「以前、秀一と食べたことがあって…すごーく美味しかったんだ♪」
ん?…ああ、忘れていた。
前に奈南の服を買ってやった時、そんなような物を食べたな。
「へー、赤井とですか。」
ジロリと睨まれる。
「奈南の服を買ってやったついでに食べたのだが、ダメだったかな?」
何も言わないつもりだったが、睨まれたまま帰られるわけには行かないからな…
「別に悪くありませんよ?羨ましいなって思いましてね?今度いらして下さい。奈南さんだけで。」
ニコニコして何を言うかと思ったら予想通りの結果になった。
一人で行かせるわけがない。
『一人で…ですか。うーん…危ないから、秀一に止められているんです。』
困った表情で伝える。
「大丈夫ですよ。僕が迎えに行きますから。」
チラッと俺を見て表情を確認しようとする奈南に微笑む。
「生憎、FBIが保護しているのでね。公安である君には任せられない。」
安室くんが公安ではなくても預けていない。
こいつは俺のだ。
俺の…奈南だ。
愛している…奈南