乃木坂

□ヘタレ
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今日で飛鳥と付き合って1年になる
ななは飛鳥より年上やしカッコイイ所を見せたいんやけど...

そんなことを考えながら西野は目の前にある見た目は綺麗な素材の味しかしない卵焼きを食べながら立ち尽くす

「ななー」

「んー?」

「お水とってー」

「はいはい」

ソファーに座り雑誌を読む齋藤の前に水と卵焼きを置く

「え。卵焼きは頼んでない...」

「いいから。見た目は悪ないやろ」

「いや。うん。見た目は悪くないけど...」

「別に不味いわけじゃないから」

「じゃあ...いただきます」

行儀よく手を合わせてから何故か匂いを確かめ、恐る恐る卵焼きを口に運ぶ齋藤に

ちょっと失礼やで

と思いながらもぐもぐと口を動かす齋藤を眺める

「...うん。」

「うん?」

「いや、不味くはない。」

「美味しくも?」

「ない...」

「だよね」

「嘘!嘘!美味しいっ」

慌てたように慰めてくる齋藤に拗ねてますよ感を出しながら見つめてみる

「ななぁ」

ぎゅーっと抱きしめよしよしと頭を撫でぶーっと口を膨らませる西野を慰める

「飛鳥飛鳥」

「なに?」

「私も美味しくないと思う。あれ」

「いや、ほんとに美味しいよ。素材の味で」

「それバカにしてるやんな。」

「や、絶対私より美味しい」

「ほらー!ばかにしてるぅ!」

「それはななが私のことバカにしてるでしょー!」

ぐいーっとお互いの頬を引っ張り合い、ムニムニとした後、何故か白石に対する不満を言い始める

「まいやんはすっとセクハラしてくるやんか」

「そうなんだよー。しーさんってホント変態だね」

「何とかならへんのかなぁ。」

「あれは一種の病気でしょ。むりだね!」

「他の子にするんはええんやけどな。べつに」

「誰ならダメなの?」

「飛鳥...ななのやもん」

「顔真っ赤ー!」

カッコつけるなよぉと馬鹿にしたように笑う齋藤に自分だってっと頬を膨らませる

未だに笑い続ける齋藤を何とか見返したくて顔を近づけるが、目の前にある齋藤の整った顔に動けなくなる

ヘタレな自分が嫌になる、ここまで来たのにキスできへん

「ヘタレ」

ニヤッと笑った齋藤は後数cm残っていた距離を詰め唇と唇が触れる

ちゅっとリップ音がなり顔を離す齋藤を目をぱちくりとさせ見つめる

「いつになったらななはリードしてくれるの?」

「やって、飛鳥が可愛すぎて...緊張すんねんもん」

顔を真っ赤に染め顔を手で隠しながら恥ずかしそうに呟く西野に思わず頬が緩んでしまう

「ななってほんとずるいよね。」

「?」

「はい、ななからしてくれないと拗ねるよ」

目を瞑り唇をトントンと指差す

心拍数が上がり顔も紅潮していくのがわかる
おそるおそる顔を近づけ、意を決して唇を合わせる

ぴくっと少し驚いたのか齋藤の体が揺れたが、スイッチの入った西野は角度を変えちゅっちゅっとキスを繰り返す

堪えきれなくなった齋藤が少し口を開くと、不慣れでたどたどしくも舌が侵入してくる

思わず笑ってしまいそうになるがたどたどしい舌をリードするように絡め合わせ、堪能する

「んっ、あすか...」

少し息を荒くした西野は、ソファーに齋藤を倒し首筋にキスをしながら服の中に手を入れ、確かめるように優しく触れる

「っ...」

余りに優しい触れ方に思わず声が漏れそうになる

「...」

首筋にキスを落とし続け、小さくも柔らかい胸を堪能するように優しく撫でるがそれが心地よいのも最初だけ。
焦れったくなぜ先に進まないのか不思議になる

「なな?」

「むー。」

「どうしたの?」

首筋に顔を埋め触れていた手を服からだし不満そうに声を漏らす

「全然跡付けられへん...」

そんなことに不機嫌になっていたのかと齋藤は我慢していた笑いが止まらず吹き出してまう

「な!笑うなぁー!」

「ふぅ、笑いつかれた...」

「ななは真剣やのにー」

ぶーっと口を尖らせソファーに座り直す

「いつになったらななは私を満足させてくれるんだろうね?」

「っ!!」

「まぁ、でもキスを自分からしてくるようになったのは進歩か」

顔を真っ赤にして、慌てて次こそはっと意気込む西野に近づき首筋にキスを落とす

「いっ...?」

「キスマークはこうやってつけるんだよ。」


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