乃木坂

□旅館
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「ここならいいんだよね?」

「...うん。」

「かわい。七瀬、こっち向いて?」

「やや、なんか...恥ずかしいもん」

俯く七瀬を下から覗き込むようにして、唇に軽く触れさせる

逃げようとする頭を後ろから抑え少し開かれた唇から舌を滑り込ませると驚いたのか目を見開き吐息を漏らす

唇を離し耳たぶに噛み付くと「ひゃっ」という声を出し肩を押してくる

「や、まいやん...」

「んー?」

「耳、あかん...」

嫌がる七瀬の耳を舐め上げると肩を握る力が強くなる

「痛いよ。七瀬」

「ごめ...」

「うーん。七瀬からキスしてくれたら許してあげようかな?」

「え...」

「嫌なら別にいいけど」

「...」

「お風呂の準備でもしよっと」

七瀬を数秒見つめ離れようとすると腕をぐいっと引かれキスをしようとする七瀬の唇と麻衣の顎がぶつかる

「いったぁ...」

「ふ...ふふ...ははははは。そんなことある?あーお腹痛い」

「慣れてへんから...そんなに笑わんくてもええやんかぁ」

お腹と顎を抑え暫く笑ったあと「うー」と唸りながら唇を抑える七瀬を抱きしめる

「ごめんごめん。可愛くて。そうだよねぇ、七瀬からなんて年にあるかないかだもんね」

「...もっとななから出来るように頑張るな?」

「何それ。超可愛いじゃん。今すぐ襲いたい所なのにもうすぐご飯の時間だね」

「そーなん?」

「そうだよ。だから、お預け」

「そーなんや...」

「なになに?残念そうだけど、もっとしたかったの?」

「う...そんなんやない。あほ」

「かーわいいなぁ。七瀬さん、こっちおいで」

「うん」

とことこと麻衣の隣に座り頭を撫でてくる麻衣をじーっと見つめる

「なぁなぁ、まいやん」

「なーに?」

「まいやんってまつげ長いしお肌も綺麗やし凄いなぁ」

「それ、七瀬が言う?」

「うん。ななが言ってる。まいやんと付き合えてるんが不思議なくらい綺麗やもん」

「えぇ...なんで突然?」

「んー。雰囲気作り?」

「なんの?」

「ななから、まいやんにキスするために」

「おう...実践がはやいね。さっきまで恥ずかしがってたくせに切り替えが早いところ好きよ」

「ななも、まいやんの変態なところすきやで」

「そう?」

「うん。まいやんに嫌いなところなんかあらへん」

「やだもう。何この子可愛過ぎない?」

「可愛いんはまいやんやで。普段は強気やのになながちょっと褒めただけで顔真っ赤にする所とかな?」

「...おかしい。さっきまで立場逆だったよね?」

「んー?そんなんどうでもいいやん。」

「あ、そうだ。松村から」

「ななとおんのにまっつんの名前出すん?それより、話そらそうとしたってあかんで」

「そんなつもりはないですよ?」

「あるやんな。怒んで」

「はい。すいません。」

「ん。ぎゅーして?」

「か、かしこまりました!!!!」


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