乃木坂

□嫉妬
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なんやあれ。ななと話しとる時よりもまっつんに呼ばれた時のほうが幸せそうやった。

ななってまいやんにとってなんなんやろ。

店内に入り注文してくれるかずみんを見ていると携帯が鳴る

携帯を手に取ると画面にはまいやんからどこにいるのか聞いてくるLINE

「...」

マナーモードにして携帯をカバンにしまう

「返さなくていいの?まいやんでしょ?」

「ええの。」

「そっか」

かずみんは携帯を手に取り何かを打っている

「一応私と焼肉にきてるっていっとくよ?」

「そんなことしんくてええよ。」

「一応するだけ。ね?」

「うん。」

運ばれてきた烏龍茶を飲みながらジュージューといい音を鳴らすお肉を眺めているとかずみんの携帯からピロンピロンと何件も送られてくる音が聞こえてくる

「めっちゃ鳴ってんで」

「うわぁ...見て。まいやん」

眉をひそめながら見せてくる画面にはまいやんからのLINEで埋め尽くされており、その量はどんどん増えてくる

「うわ...ごめんな」

「いや、いいんだけど。一応なぁちゃんからも連絡しといたら?」

「...いやや。お肉食べるのに忙しい」

十分に焼けたお肉を口に頬張るななを少し心配そうに見つめたあと、かずみんは通知音を消しカバンに携帯をしまった

「なぁちゃん私の分まで食べないでよー?」

「うん。はよ食べ」

「はーい」

暫く他愛のない話をしながらお肉を食べた後、口直しのアイスを注文した

「こんなにLINE送ってくるほどなぁちゃんのこと大好きなのにね」

「...そんなん形だけや。見たやろ?まっつんに対する態度」

「うん。でも、まいやんは誰にでもセクハラするでしょ?」

「それはそうやねんけど、バカップル芸するんはまっつんとだけやん」

「そうだねぇ。言ってみるのはどう?」

「何を?」

「まっつんといちゃいちゃしないでって」

「そんなん言われへんよ。」

「なぁちゃんもたまには素直になるべきだとは思うけどなぁ」

「ななやって分かってんで...?
でも、それが出来たら苦労してへん」

かずみんの言ってることもわかる。
でも、ななが素直になれへんのはまいやんやってわかってる。
それに、ごく稀に好きって言うし...

「すいません。レモンサワー一つください」

「え。なぁちゃん大丈夫?」

「1杯ぐらい大丈夫やって」

「無理だって思ったらやめるんだよ?」

「うん。」

運ばれてきたレモンサワーを1口呑むと思いのほか呑みやすくてグイグイ進む

「わわっ!なぁちゃん!だめだよっ」

「美味しいで」

「だ、大丈夫?」

「大丈夫やでぇ」

「ふふふふ。かずみーん。」

「なぁちゃんー...」

むぅ。かずみんが相手してくれへんー!
ななが隣におんのに誰かと電話しとるしー



全く大丈夫じゃなかった...
顔は赤くなってるし何より物凄い甘えん坊になってる。
とりあえず、まいやんに電話して迎えに来れるか確認したら「すぐいく」と返事を返すし電話が切れる

「かじゅみーん。かじゅかじゅみんみーん」

「よしよし」

「うふふー。すきぃ」

「私もなぁちゃんのこと大好きだよー」

「ほんまに!?やったぁ!」

嬉しいなぁとニコニコしながらもたれかかってくるなぁちゃんをよしよしと宥めていると、扉をガラッと開き肩で息をするまいやんがはいってくる。

「はぁ、はぁ...」

「あ!まいやんやー!」

ビッと指を指したあとにベーっと舌を出す

「なにしにきたんよぉ。ぶーぶー」

「帰るよ。七瀬」

「嫌や!帰らへんっ」

腕を引くまいやんの手を振り払い私の腰に抱きついてくるなぁちゃんを見つめ眉を八の字に曲げる

「なぁちゃん、まいやん泣いちゃいそうだよ」

「え!?」

ばっと顔を上げて泣かないで?と抱きつく七瀬にまいやんは目を見開き驚く

「え...え...七瀬が...」

「甘えんぼになってるんだよー」

んぐっと変な音を立てながら顔を抑えながら震えたあと真顔に戻り

「連れて帰るね」

「わっ!すごーい。まいやんちからもちやなぁ!うふふー」

喜ぶなぁちゃんを軽々とお姫様抱っこしタクシーに乗り込む

「ごめんね。かずみ。」

「いいよいいよ。おやすみ」

「おやすみ」

「おやしゅみー」
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