乃木坂
□嫉妬
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朝から七瀬の様子がおかしいとは思ってたけど、まさかお酒を飲むなんて
お酒が弱いのは知ってたから飲まないように飲んでも少しだけだと約束してたからこんなことになるとは思わなかった。
家に着いてからはムッとした顔でソファーに座っている
「七瀬」
「...」
「どうしたの?」
「別にどうもしてへん」
「どうもしてなかったらお酒なんか飲まないでしょ?」
「まいやんに関係あらへんやんっ。ほっといて」
お酒を飲んだせいで感情が激しい
「ねぇ。私なにかした?言ってくんなきゃ分かんないよ」
「なんでや。なんでわからへんねん」
「ごめん。」
「...ななのこと嫌いになったん?」
「え?なんで!?なるわけないでしょ?」
「嘘や!最近冷たいやん!」
「そう感じさせてしまったならごめん。」
「まっつんとばっかりおるんやもん。ななとおるときより楽しそうに話してるんやもん」
「ななは、まいやんと話したいのにまいやんが喋るんはまっつんの事ばっかりで...彼女はななやのに...」
え?待って?もしかして、いやもしかしなくても嫉妬してる?
「ななのまいやんやんな?まっつんよりもななのこと見てや...」
「七瀬...」
「まいやん。」
お酒を飲んだせいで少し赤くなった頬に潤んだ瞳で何故か迫ってくる七瀬に驚き目をぱちぱちとさせていると頬に手を当ててくる
「ど、どうしたの?」
んー?と微笑む七瀬の色気に見とれていると唇に柔らかい何かが触れる
その何かが七瀬の唇であるということに気づくのに数秒かかってしまった
触れるだけのキスをし、リップ音と共に顔を離すとふふっと笑い「まいやん可愛い」と言いながら髪をさらりと撫でる
「ちょ、七瀬?え?」
正直、かなり嬉しい。七瀬からキスをしてくることなんて今まで一回もなかったから。
ただ、待って。待って七瀬。心の準備ができてないんだ
「落ち、落ち着いて?七瀬?ね?」
「ななを怒らせるまいやんが悪いやんな?」
「はい!私が悪いですっ」
私の服に手を入れながら上目遣いでそんなことを言われて止められるわけが無い。
普段は私が可愛がってばっかりだけど...たまにはありだな
腰をなで徐々に上がっていく七瀬の手が、下着のホックを慣れた手つきで外し片手を頬に当て先ほどとは打って変わって荒々しいキスをしてくる
ソファーに持たれる形で七瀬からのキスを受け入れていると、腰をなでていた手が肌を撫でながら上がってくる
胸のふちをなぞるように優しく触れてくる手が、もどかしくて七瀬の手を取り胸に当てる
「積極的やなぁ。でも、あかんよ?」
口角を上げ妖艶に笑うと数回やわやわと揉みながら頬、首、鎖骨とキスをした後、胸元から下腹部までスーッと指を這わす
「んっ」
くるっとおへその周りを撫でられ思わず声が漏れる
スカートの中に手を入れお尻を撫でたりするが、一向に進まないもどかしさに七瀬を見ると目をぱちぱちさせている
「七瀬?」
「この先どうしたらええかわからへん」
口を尖らせ眉を八の字に曲げる
「んー。ええや!」
胸とお尻を触っていた手を離し何故かTVを見始める
嘘でしょ?ここまでしといてお預け???
いやいやいや。そうはいかないよ?
こんなにやる気にさせといて、やり方が分かんないからおしまい?
はっはっはっ。
「な、な、せ」
「どしたん?」
くるっと振り返り首を傾げる七瀬の頬を包み込むように抑え触れるだけのキスを繰り返し
固まる七瀬の唇を舌でこじ開ける
舌の絡まる感覚に硬直させていた体を動かし必死に離れようとするが頬をつかみソファーに押し付けているため逃げることが出来ないでいる
「かわい」
唇を離し息を整える七瀬をじーっと眺める
「...何見てるん」
「えろいなーっとおもって」
「なっ、離してっ。ななもうねる」
「だめだよっ。人をやる気にさせといて今更何言ってるのー?」
逃げようとする七瀬の頬を指でスーッと撫でるとピクッと反応する
「ん?なになにー。七瀬もやるきじゃん」
「ちゃうから。離して」
「無理。離さないし寝させない。」
「嫌いになんで」
「やだ!それはやだ!」
「やったら」
「うん!それもやだ!私はわがままなんだぞ!」
「知らへん!まっつんのとこいったらええねん」
「それ、本気で言ってる?」
真顔で七瀬に詰め寄ると顔をふいっと逸らし口を閉じる
「あのね、私が好きで抱きたいと思うのは七瀬だけよ。確かに、最近は松村と話してることは多いけど、それは友達としてだしこんなことしたいって思うのは七瀬だけなの」
「...」
「伝わらない?」
「...伝わった」
「じゃあ、失礼しまーす」
「まっ、」
「待ちません」
ニコッと微笑むと諦めたように腕の力を抜く
じーっくりたーっぷり可愛がってあげるからねっ